2022年
8月12日(金)

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<いわて参院選2022>自民、30年ぶりの議席奪還果たす 広瀬氏は初当選 木戸口氏の再選を阻む 投票率55・38%

2022-07-11

初当選が確実となり、バンザイする広瀬氏(左から3人目)

 第26回参院選は10日、投票が行われた。円安の進行やロシアのウクライナ侵攻に起因する物価高騰、収束の兆しがみえない新型コロナウイルス対策、世界平和と安全保障、東日本大震災からの復興などと、多岐にわたる課題に対する各党、各候補者のスタンスが問われた選挙。岩手選挙区(改選数1)は即日開票の結果、自民党新人の広瀬めぐみ氏(56)=公明推薦=が、立憲民主党の現職で再選を目指した木戸口英司氏(58)らを退け、初当選を果たした。自民としては、30年ぶりの議席獲得となった。2023年秋に行われる知事選や県議選にどう影響してくるか注目される。投票率は55・38%で、前回より1・17ポイント低かった。

 投票日2日前に奈良市で安倍晋三元首相が銃撃され亡くなるという、極めて異例な情勢下で行われた今回の参院選。岩手選挙区では、自民党が参院選岩手選挙区としては1992年以来30年ぶりに議席を奪還した。

 勝利の大きな要因はやはり、昨秋の衆院選における岩手3区に勝利した勢いを持続させたことだろう。これまで岩手3区で圧倒的な力を持っていた立憲民主党の小沢一郎氏(衆院東北比例)を、自民党県連会長の藤原崇氏が下したことは、大きな驚きとともに全国的に報じられた。

 そのような情勢下で擁立された広瀬氏は、弁護士として21年の活動実績に裏打ちされた▽ひとり親支援▽女性の賃金向上▽安心して子どもを産み、育てられる環境の構築│などの訴えを続け、支持を勝ちとった。

 従来の自民党型選挙の基本戦術であった大規模街頭演説などの「空中戦」に、立候補表明後約半年をかけたあいさつ回りなどの「地上戦」を加えた両輪が滑らかに回り、昨秋の衆院選の勢いを加速させた。

 安倍元首相の銃撃後、一時街頭活動を取りやめたものの、最終日は喪章をつけ活動し、議席を奪った。

 対する木戸口氏は、6年前同様の野党共闘態勢で再選を狙ったが、及ばず。「タブーなし。禁則なし」と全面支援の構えを見せた達増知事によるテコ入れも、自民党の勢いを止めるには至らなかった。

 今回の参院選は、今後の県内の政局にも大きな転換点となりえる。

 立憲県連は選挙期間中、政治資金問題で階猛氏を相手に起こした民事訴訟の取り下げを画策。階氏との和解により、さらなる支持の拡大を図ったが、階氏サイドが異議を申し立てたため成立しなかった。

 この騒動に対し、広瀬氏の陣営は「衆院選で刺客を立て、民事訴訟まで起こしておきながら、自分たちに都合が悪くなれば訴えをなかったことにして協力を求める。これは弱い者いじめだ」と痛烈に批判。

 「野党共闘」に参画したある野党系県議も「共闘と言っておきながら、自分たちの足元がおぼつかないねえ」とポツリ。

 訴えの取り下げは、立憲県連上層部による独断専行との声もささやかれており、今後の組織運営や野党共闘の取り組みにも爪痕を残しかねない。

 また、全面支援した木戸口氏が敗れたことで、達増知事自身の求心力低下も避けられない。2023年秋には知事選も控える。全県選挙である参院選は、知事選の前哨戦として党派の対立をヒートアップさせた形だ。今後の各勢力の対応が注視される。



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