2022年
8月12日(金)

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<いわて参院選2022> 「落日の王国」力なく 知事選へ意気込む自民

2022-07-12

 全国的に「自民圧勝」で終わった第26回参院選。その流れは、野党共闘の源流とも呼ばれた本県にも波及した。野党共闘の中心である立憲民主党の小沢一郎衆院議員(比例東北)が昨秋の衆院選岩手3区で敗れた影響はあまりにも大きく、参院選岩手選挙区における非自民勢力の連勝は9でストップした。

 自民公認で公明が推薦する広瀬めぐみ氏(56)は立候補表明以降、地元県議らと行動をともにし、精力的にあいさつ回りやつじ立ちを展開。自民党本部も、今回の岩手選挙区を重視し、参院選公示日には岸田文雄首相が本県入りし応援マイクを握った。

 こうした取り組みの末に、自民・公明両党の支持層に加え、無党派層からも一定の支持を集め、初当選。参院で岩手初の女性国会議員が誕生した。

 昨秋の衆院選に続く2連勝に、広瀬氏陣営からは「小沢王国は崩れた」との声も上がった。ある幹部は次期知事選も見据え、「ホップ(衆院選)・ステップ(参院選)・ジャンプ(知事選)で躍進を」と気炎を上げる。

 敗れた立憲の木戸口英司氏(58)は、初当選した6年前同様の野党共闘体制を構築し、選挙戦を展開。しかし、ふたを開けてみれば、地元花巻市や北上市、奥州市、平泉町を除く29市町村で、広瀬氏の後塵(こうじん)を拝することとなった。

 特に、大票田である盛岡市では、達増知事によるテコ入れを受けるも及ばず。鈴木俊一財務相(衆院岩手2区)の地盤で自民の影響が強い沿岸、県北部での負け分を人口の多い内陸で取り返すという木戸口氏陣営の目論見は、もろくも崩れた。

 立憲サイドの失策も、見られた。

 階猛衆院議員(岩手1区)との間で係争中だった政治資金を巡る民事訴訟を参院選期間中に取り下げようとした(階氏サイドの異議申し立てにより、訴訟は継続中)ことは、広瀬氏陣営に批判の材料を与える結果となった。

 また、安倍晋三元首相が銃撃され亡くなった直後の街頭演説で、小沢氏は「長期政権が招いた事件と言わざるを得ない」などと発言。この発言で、小沢氏は立憲本部の泉健太代表から注意を受けたほか、有権者へ与えた影響はあまりにも大きかった。

 盛岡市に住む男性は「自民一強はよくないと思って、毎回野党側に入れていた」と前置きしつつ、「あの発言はよくない。あんな発言をする党に(票を)入れられない」と断じた。

 「野党共闘の源流」「小沢王国」ともうたわれた岩手選挙区での敗戦は、創始者の一言が引き金となったとの見方もある。

 2013年参院選の6人に次ぐ、5人が立候補したことも結果的には勝敗を分けた。

 最終得票数をみると、当選した広瀬氏と木戸口氏の差は2万2248票。いずれも落選した政治団体参政党新人白鳥顕志(51)、無所属新人大越裕子(58)、NHK新人松田隆嗣(48)3氏の合計得票数は約5万3千票。多くの無党派層の票が3氏に流れたとも考えられ、この点も広瀬氏と木戸口氏の勝敗を分ける形となった。

 今回の参院選により、本県の選挙区選出の国会議員数は、自民が鈴木俊一(衆院岩手2区)、藤原崇(同3区)、広瀬(参院)の3氏に対し、立憲は県連には所属していない階(衆院岩手1区)と横澤高徳(参院)の2氏となり、これまでの立憲優位の勢力図が一変した。

 2023年には県知事選と県議選が予定され、25年には衆参ダブル選挙が実施される可能性もある。

 本県でも、国政与党である自民・公明が攻勢を強めることが想定される。立憲県連の幹部は「参院選の総括を行い、速やかに組織の立て直しを図る」としており、各勢力の動向が注視される。(参院選取材班)



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