全文を読む
- 「ゆっくりしてもらう空間に」 雫石にギャラリー喫茶 くますけ工房佐藤佑美術館 文化の香りが漂う
-
2022-08-04
絵を見たり、コーヒーを飲んだりと思い思いに楽しめる喫茶の空間
自然豊かな森の中でアートに親しみながら、こだわりのコーヒーを飲んでくつろぐ。2021年11月にオープンした喫茶店「くますけ工房・佐藤佑美術館」(雫石町西安庭37の328、第2コテージ村内)には、自然と心の落ち着く時間が流れている。店主の佐藤少子さん(57)と夫でマスターのすなおさん(59)は「忙しい人が多いと思うので、ゆっくりしてもらうスペースになれば」と願う。
すなおさんがおじから建物を受け継いだ時期と、夫妻の次男で日本画家の佑さん(28)が20年に東京芸術大大学院を修了するタイミングがほぼ重なり、作品を展示するギャラリー喫茶を開くことになった。
約1年をかけ、しっくい塗りなど一部は夫妻自らリフォームしてオープンさせた。佑さんの日本画などを飾った店内は、アットホームな雰囲気。
2階には貴重な大型の機織り機
サイフォンコーヒー(800円)は、手焙煎のトラジャ豆を昔懐かしいサイフォンで丁寧にいれるのがこだわり。雫石町産ブルーベリーのジュース(同)、南部鉄器の器具で焼き上げたホットサンド(700円)など、地元の食材や技術を生かしたメニューも楽しめる。
2階には、前の持ち主と縁があって引き取った大型の機織り機が鎮座。今後、少子さんが地元作家から機織りを習い、同店の特徴の一つとすることも見込む。
かつて民芸に憧れ、ホームスパンの工房に関わっていた時期もある少子さんは「20代の頃の夢の一つ。思い続けたり、人に話したりしていると、つながるんだなと実感した」と目を輝かせる。
訪れる人は、窓の外の森を見てくつろいだり、ギターを弾いたり、店にあるピアノを弾いたりと、思い思いに過ごすという。
静かな森の中に建つ「くますけ工房・佐藤佑美術館」
「畑もあるので、収穫したものを食べるなど、好きなように過ごしてもらいたい。絵や音楽、文化の香りを楽しみたい人に来てほしい」とすなおさん。
店名「くますけ」は佑さんが描いた同店のイメージキャラクターに由来。「工房」は、手が生み出す芸術や飲食、工芸に親しむ思いから。
少子さんは「将来的に庭のログハウスで雑貨の販売もしたい。絵や手作りの好きな方が集う場になれば」と話している。
営業は正午から午後6時。火・水曜定休。
前の画面に戻る