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盛岡市の上米内駅 漆の工房とカフェに JR東日本など資金募集 次世代漆協会が企画

2019-10-07

上米内駅を漆塗りの見学、体験、購入の場にするプロジェクト

 JR東日本などが、盛岡市上米内中居の無人駅、山田線「上米内駅」の改装費300万円を、クラウドファンディング・キャンプファイヤーで11月29日まで募っている。漆生産を担う一般社団法人次世代漆協会(同市本町通)が企画した「漆工房併設のカフェ」に駅舎を改装し、観光客や地元の人らでにぎわうスポットにする。11月に着工。待ち合いカフェは12月、工房は米内浄水場の桜が見ごろの来年4月下旬にオープンする。

 JRは2018年に、「地域商品」か「無人駅」を活用し、鉄道の利用促進や地域活性につなげるプロジェクトを募集。無人駅への応募36案から、上米内駅と信越本線帯織駅(新潟県)の2案を選んだ。プロジェクト考案者に駅舎を貸し出し、改装、運営を任せる。

 同協会のプロジェクト名は「イーハトーブの里山に、無人駅を活用したカフェと工房を作りたい!」。18年春から、駅員不在の無人駅になった駅舎(床面積74平方㍍)を、待合室を兼ねたカフェ、漆の工房、漆器などの展示・販売スペースに改修する。漆塗り見学や体験、講座、産直マルシェなども展開し、漆を知り、見て、触れる場にする。


リニューアル後のイメージ図


 国内で消費される漆の97%を海外産が占める中、国が国宝などの修復に国産漆を使用するよう方針を示して以降、国産漆の生産が需要に追い付かない状況が続いている。

 その漆生産を支えるために同協会は今年5月、上米内地区の山に漆の木430本を植樹。関東・東海地域から参加があったことから、漆を観光資源にして観光客を呼び込もうと駅舎の活用を考えた。駅は地域住民も多く利用するため、観光客との交流の場になると期待している。

 同協会の細越確太代表理事(55)は「上米内地区を漆の生産・加工・販売を担う地にして人を呼び込み、地域の交流人口を増やして駅の利用者数の減少、地域の過疎化に歯止めをかけたい」と協力を呼び掛ける。今秋にまた漆の木3千本を植え、今後7年間でさらに3万5千本を植樹する。「盛岡を、漆生産全国1位の二戸市浄法寺に次ぐ漆産地にする」と展望している。

 プロジェクトページ(https://camp-fire.jp/projects/view/190589)から出資でき、資金支援へのリターン品は、漆苗、漆塗りプラスチックカード、漆図柄手ぬぐいなどを用意。最高額100万円の投資者は、駅舎の愛称となる工房併設カフェの名前を付けられる。6日時点の支援総額は17万5777円。

 上米内駅は1923(大正12)年に開業。同駅の乗車数(1日平均)は、15年度が76人、16年度73人、17年度62人と微減している。



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