2023年
3月24日(金)

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統一地方選 相次ぐ政治決戦 「閉塞感打破」と千葉氏 知事選 注目集まる達増氏の動向

2023-01-04

 立候補会見で、手を合わせる自民県連の岩崎幹事長、千葉氏、いわて県民クラブの飯澤代表(左から)=12月16日

 2023年は4年に1度の統一地方選の年。本県でも、県知事と県議をはじめ、9市町村の首長、18市町村の議会議員が任期満了を迎え、有権者の審判を受ける。盛岡地域でも、春から秋にかけて政治決戦が相次ぐ。

 9月10日の任期満了に伴う知事選に向け、元県議の千葉絢子氏(44)が立候補を表明。無所属での立候補となるが、自民党県連(藤原崇会長)は、組織を挙げて千葉氏を支援する方針を表明している。県議時代に所属したいわて県民クラブ(飯澤匡代表)も全面支援する構えだ。一方で、現職の達増拓也氏(58)=4期=は自身の進退を明らかにすることなく越年。動向に注目が集まる。

 千葉氏は22年12月16日、「希望をもって暮らせるふるさとを作るため、人生をかけ挑戦する」と、県議を辞し、知事選への立候補を表明。任期満了まで1年を切りながら進退を明らかにしない達増氏の先手を取った。

 元県内民放アナウンサー兼記者。15年の県議選盛岡選挙区に出馬し、トップ当選。19年の県議選で再選を果たし、2期目途中に知事選立候補のため辞職した。

 自身のホームページの「基本政策」には、▽子ども子育て支援▽教育▽農業▽経済産業振興策│の4項目を掲載。達増県政を「この11年、復興以外に成し遂げられたことがあるとは思えない」と批判する。「震災以降沈滞しているムードや停滞感、閉塞感を打ち破ってほしいという県民の皆さんの願いで、出馬を決意した」と、広く支持の浸透を図る。

 千葉氏を支援するいわて県民クラブ、自民党県連はいずれも、達増県政には批判的な態度をとっている。自民サイドとしては、21年の衆院選岩手3区と22年の参院選で公認候補が勝利した追い風に乗り、県政の本丸へ攻め込む構えだ。

 4年前の知事選で自民県連といわて県民クラブが擁立した新人候補は、投開票2カ月前に立候補を表明し、大敗。今回は選挙戦への十分な準備期間を取るため、年内の表明に至ったとみられる。


 達増氏は、22年内最後の会見でも自身の進退について明確にしなかった=12月26日

 一方、現職の達増氏は22年内最後となった26日の定例会見でも進退を明らかにせず。自民県連の藤原会長は「現職は100%出てくる」と警戒を強めるも、目立った動きを見せることはなかった。

 達増氏は自身の進退について、知事定例会見でたびたび「現時点で発表することはない」「決まるときには決まる」と繰り返している。千葉氏の出馬が表面化した12月8日には、「岩手に関心を持ち、岩手を良くしようと知事を志す人が出てくることは大変いいこと。県民にも知事選の機会に岩手に関心を持っていただき、自分ならこうしたい、ああしたいということを考えてほしい」と、落ち着き払って話している。

 達増氏と距離の近い立憲県連の横澤高徳代表は「(達増氏)本人が進退を表明次第、対応を協議する」としている。達増氏が「政治の師」と仰ぐ小沢一郎氏(衆院比例東北)は「何としても達増拓也知事に頑張ってもらいたい」と述べるなど、期待感も示している。

 達増氏は2007年に初当選。震災直後の11年は、県の復興計画を事実上の公約として掲げて支持を集め、再選。15年は無投票で3選を果たした。19年の知事選では立憲、国民民主、共産、社民各党の推薦を受け、自民推薦の元県議を大差で下した。



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