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- 子どもと保護者に寄り添い ふうりん保育園保育士 渡辺祥子さん 時代の変化にも対応 22年度社会福祉功労者 厚労大臣表彰を受賞
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2023-01-13
2022年度社会福祉功労者厚生労働大臣表彰を受けたふうりん保育園保育士の渡辺祥子さん
滝沢市保育協会・ふうりん保育園保育士の渡辺祥子さん(62)=雫石町橋場=は、2022年度社会福祉功労者の厚生労働大臣表彰を受けた。同協会職員として42年にわたり、地域の子どもたちの保育に従事し、「主任保育士や園長ら先輩方に支えられて、いまがある。これからも保護者や子ども一人ひとりに寄り添うことを大切にしたい」と思いを新たにする。
渡辺さんは秋田県羽後町出身で、岩手県立盛岡短期大学(現県立大盛岡短大部)保育科卒。同保育協会に就職した1980年ころは、県内でも保育園の新設が相次いでいた時期で、保育施設の需要の高まりを感じたという。
川前保育園を皮切りに、ふうりん保育園、一本木保育園などに勤務し、2020年3月に、鵜飼保育園園長を最後に定年退職。同年4月から、嘱託職員としてふうりん保育園に務める。
自然に恵まれた同園では、園児が育てた米や野菜を行事で味わったり、地元食材を給食に取り入れるなど食育にも力を入れている。
新型コロナ禍で保護者の給食参観など直接の交流の機会は減少しているが、毎日子どもに持たせる連絡ノートで家庭との連絡を取り合い、降園時の保護者との短い会話も大切にしているという。
「特にも初めての子育ては分からないことが多いもの。一生懸命頑張っているお母さん、お父さんの子育てを少しでも補う存在になれれば」と話す。
以前は保護者の勤務時間が長くなる傾向があり、渡辺さんが務めていた園でも午後8時までの延長保育で対応した。
近年は社会全体の課題である働き方改革や子育て支援を背景に、保護者の意識や働き方にも変化が見られるように。同協会でも遅い時間帯の延長保育のニーズの把握に努めた。
ふうりん保育園では、延長保育時間を30分短縮することになったが、子どもを他園に預けて働く職員の支援にもつながった。
異年齢の集団である保育園の良さを感じるのは、「自分にきょうだいがいてもいなくても、年長の園児が年少の園児を思いやること。小さい子を気遣い、『どうしたの』と声を掛けている場面がよくある」。
保育士である自身も「子どもを尊重し、その人権を大事にしたい」と、周りの職員と連携して一人の子どもを見守る保育を心掛ける。
「かつての園児が保育士になって一緒に働いたり、当時の園児の子どもを受け持つことも。長く務めたからこそと思う」と、ほほ笑む。
今年度の同表彰は、渡辺さんら社会福祉事業従事者、民生委員・児童委員ら本県から1団体13人。表彰伝達式は昨年12月13日に東京都・浅草公会堂で開かれた全国社会福祉大会で行われ、渡辺さんが代表で参加した。
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