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- 価値を広めて保存継承へ 永井の大念仏剣舞 「地域の宝」再確認 ユネスコ無形文化遺産 登録を祝う会
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2023-01-16
永井の大念仏剣舞の特徴の一つ「大笠振り」
盛岡市永井に伝わる「永井の大念仏剣舞」のユネスコ無形文化遺産登録を祝う会が15日、同市永井の永井地域交流活性化センターで開かれた。永井大念仏剣舞保存会(小笠原康則会長)が主催し、約150人が参加。保存会の25人が演舞を披露した。同剣舞の地域の宝としての価値を再確認し、保存継承への思いを新たにした。
同剣舞は約220年前に、庭元の先祖が現在の紫波町日詰から剣舞の巻物をもたらしたことが始まりとされる。地域で脈々と受け継がれ、1980年に国の重要無形民俗文化財に指定された。
2018年、民俗芸能「風流」に分類される国指定の重要無形民俗文化財保存団体で構成する「全国民俗芸能『風流』保存・振興連合会」に参画し、ユネスコ無形文化遺産登録への取り組みを開始。22年11月、同剣舞をはじめ24都道府県の41件の伝統芸能が含まれる「風流(ふりゅう)踊り」が、評価機関による登録勧告を経て、正式に登録されることとなった。
同保存会には、園児から70歳代までの約30人が所属。進学などのため県外に暮らし、同日の公演のために駆け付けたメンバーも。
来賓や地域住民の前で華やかな舞を披露した
踊り手たちは、勇壮な太鼓や笛、鉦(かね)に合わせて華やかな舞を披露。同剣舞の特徴である高さ約2㍍、直径約1・8㍍、重さ25㌔の大笠は、ダイナミックな動きで観衆を引き付けた。
来賓の谷藤裕明盛岡市長は祝辞で、「災厄をはらい安寧を願う風流踊りは、新型コロナウイルスなどの影響で長期間我慢を強いられ傷付いた人々の心を癒やす、いま必要とされている芸能」と強調。「永井の大念仏剣舞が将来にわたり多くの人に親しまれるよう、保存継承活動を支援していきたい」と述べた。
小笠原会長(60)は同日の演舞を振り返り、「地域の人に価値を知ってもらい、地域の財産として応援してもらえたらありがたい」と語る。
「先人が継承してきた剣舞を絶やさず引き継いでいくことに大きな責任を感じているが、この機会を逃さず地域、学校、行政の協力を得ながら、保存継承を進めていきたい」と誓った。
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