2023年
3月24日(金)

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肌で知る演劇の楽しさ 盛岡聴覚支援学校 「星の王子さま」上演 子どもたちも手話で歌う

2023-01-21

劇団員、子ども、教員が一丸となって作り上げたバリアフリー演劇「星の王子さま」の公演

 東京演劇集団「風」は20日、県立盛岡聴覚支援学校(森山学校長)の幼稚部から高等部の子ども39人に対して、バリアフリー演劇「星の王子さま」を公演した。同劇は、文化庁が22年度から新たに始めた「文化芸術による子供育成推進事業―ユニバーサル公演事業」の一つ。劇団員だけでなく、同校の児童、生徒、教員も参加し、一丸となって物語を作り上げた。

 同事業は、多くの子どもたちが文化芸術に親しみ、文化芸術を通して表現の多様性を認識し、障害への理解を深める鑑賞・体験機会を提供することが目的。応募した結果、同校が選ばれ、今回の演劇公演が実現したという

 同劇団は1989年に、サン=テグジュペリ作「星の王子さま」を初演。2019年には、障害の有無にかかわらず、多くの人が楽しめるようにバリアフリー化し、字幕や音声ガイド、手話通訳者などを取り入れた。

 また、参加共演型の公演のため、同日は子どもたちが一緒に劇中の手話の歌を歌ったり、森山校長ら教員が役者として参加したりした。

 王子さまが地球で友達になるキツネ役を演じた工藤順子さん(60)は「小さい子どもたちも含めて、一緒にやろうという気持ちが伝わってきて、すてきだった」と目を細めた。

 呑み助役で劇に参加した同校幼稚部の細川歩美教諭(36)は「歌や音楽、手話を通して演劇の楽しさや芸術の美しさを小さいころから知っておくと、今後将来の余暇にもつながる」と思いを語った。

 同劇団は21年11月に、同校で文化庁補正予算事業として「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」を公演している。



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