2023年
3月24日(金)

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自動運転でデモンストレーション 電気自動車 盛岡城跡公園周辺で 障害者らの利用見据え

2023-01-23

盛岡城跡公園を自走する電気自動車

 盛岡市内では初の試みとなる、自動運転による電気自動車の走行デモンストレーションが22日、盛岡城跡公園周辺で行われた。観光利用や高齢者、障害者の利用に配慮した次世代交通システムを模索する実証実験として、フロムいわて(同市志家町、野田尚紀社長)が市の補助金を活用し実施。市民90人が試乗し、新たな交通の可能性を体験した。

 秋田県上小阿仁村で運用されている7人乗りの自動運転電気自動車を用い、690㍍のコースを15分程度で走行。岩手教育会館前の公道を手動で走行後、公園内に入ると自動運転に切り替わった。

 時速5㌔前後のスピードで、砂利の坂道や雪上も走破。観光利用を想定して盛岡まち歩きガイドが同乗し、盛岡城の歴史や、コースにある新渡戸稲造、石川啄木の石碑について解説していた。

 普段車椅子を利用している川下真由美さん(55)は「車椅子で坂を上るのは大変で、城跡公園に来るのは十数年ぶり。行けない所に行けてワクワクした。スロープなど付いて、乗り降りがしやすくなるとさらに良い」と試乗を振り返っていた。

 実証実験は、市のデジタル技術実証実験事業補助金を活用して実施。再生可能エネルギーを用いた、移動手段を持たない高齢者、障害者の利用も考慮した交通システムの構築、観光資源を生かしたマイクロツーリズム(近場での旅行)などの可能性を模索するもの。

 技術面では県立大地域連携本部の柴田義孝特命教授が協力。遠赤外線レーザーによる積雪や凹凸など路面情報の把握や、車載する360度カメラの映像のリアルタイム共有などが試みられた。

 野田社長は「観光客の誘客のほか、駅やバス停から目的地までの移動に使う二次交通としても期待できる。まちの魅力を発信するとともに、地域住民の生活を良くするために活用できる自動運転を皆さんと考えていきたい」と話していた。



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