2023年
3月24日(金)

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実践発表で学び深める いわて復興教育 安全マップ作成や備蓄など 高校生のパネルディスカッションも

2023-01-24

「いきる・かかわる・そなえる」に関する多彩な実践を発表した

 県教委は23日、2022年度の「いわて復興教育」児童生徒実践発表会を、盛岡市内丸の県民会館大ホールで開いた。県内8校の発表者の児童生徒や県内小中高校の教職員ら約350人が参加し、実践発表や意見交換を実施。発表者たちはそれぞれの学校の取り組みから相互に学び、改めて自分の学校や地域を見詰め直していた。

 いわての復興教育は、東日本大震災津波から得た教訓を学校教育に生かし、一人ひとりの「生きる力」を育むことを目指す。発表会は新型コロナウイルスの影響で、会場参集型の開催は3年ぶり。

 開会に際し、佐藤博教育長が「教訓を後世に継承するためにも、今後も『いわての復興教育』を継続していく必要がある。発表や相互の交流から、自らの考えを振り返り、古里の素晴らしさを再発見する機会になることを願う」とあいさつ。

 はじめに、下橋中、杜陵小、桜城小、宮古市の田老一中が発表。続いて平舘高、高田高、釜石高定時制、軽米高の実践紹介があり、高校生8人によるパネルディスカッションも行われた。


4校の高校生が意見を交わしたパネルディスカッション

 下橋中は、地区調査活動をもとに学区内の安全マップ作成に取り組んだ。21年度に作成したマップを、小学生と交流しながら改良。「小学生、中学生それぞれの視点を地図にまとめることができた」と成果を発表した。

 杜陵小は、学校近くを流れる中津川に注目し、サケの稚魚を卵から育てて放流する取り組みを発表。宮古市の小学校や宮古漁港津軽石ふ化場を訪ねた様子も紹介した。

 桜城小は、大雨を想定した避難訓練をもとに、避難する上で大切なことなどを発表。備蓄品についても学んでまとめ、「それぞれの家庭に合った『そなえ』が必要!」と強調した。

 田老一中は、震災での甚大な被害を踏まえて、語り部活動「田老を語り伝える会」を展開。当時の中学生や大人たちの証言に触れ、「先輩方の思いを受け継ぎ、防災・減災を学び、気付き、考え、行動できる人を目指す」と決意を示した。

 桜城小の吉澤梨咲さん(5年)は「訓練したことや学んだことを、多くの人に伝えられて良かった」とほほ笑んだ。大谷地瑛仁さん(同)は「学んだ中から、ローリングストック(日常的に使いながら備蓄する方法)などを広く伝えたかった」と振り返った。川島功雅さん(同)は「杜陵小は中津川を豊かにする活動をしていて、田老一中は震災の実体験を発信していてすごいと思った」と視野を広げていた。



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