2023年
3月24日(金)

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米国向けリンゴ出発 JAいわて中央 順調に需要拡大 3年目「ふじ」「こうこう」15.36トン

2023-01-26

 米国への輸出を前に、チェン検疫官(左)の検査を受けるJAいわて中央管内で生産されたリンゴ

 JAいわて中央(浅沼清一代表理事組合長)が米国に向け輸出するリンゴの出発式が25日、盛岡市下飯岡のJAいわて中央都南選果場であった。同JAは現在、日本で唯一、米国へのリンゴの輸出を行っており、3年目の今年は15・36㌧(前年比5・96㌧増)の「ふじ」と「こうこう」を米国西海岸とハワイ諸島に輸出する。輸出金額は779万円(同335万円増)となり、米国における県産リンゴの需要が順調に拡大している。

 25日は米国農務省のシャウチ・チェン植物検疫官が出荷用のリンゴの抜き取り検査を実施。傷や病害虫などの問題がないことを確認し、トラックに積み込んだ

 同日発送されたリンゴは、八戸市内で梱包と薫蒸処理され、日米合同の検査を受ける。問題がないと判断されれば、東京経由でロサンゼルスとハワイに向け、船便で出荷される。到着は2月末の予定で、現地では1個1千円程度で店頭に並ぶという。

 出発式で、浅沼代表理事組合長は「人口減少が進む中、輸出により農家の所得向上につながれば。当JA管内で生産された安全安心なリンゴをアメリカの皆さんに味わっていただき、おいしさで笑顔いっぱいになることを願う」とあいさつ。

 生産者を代表し、JAいわて中央りんご生産部会の北田正和部会長は「継続して輸出に取り組むことで、生産者の意欲向上にもつながっている。日本の繊細な技術で作られたリンゴを、ぜひ現地の人にも味わってほしい」と期待を寄せた。

 米国は検疫が厳しく、2010年以降日本のリンゴ輸出は途絶えていた。JAいわて中央では厳しい条件をクリアする体制を整え、20年度から米国向けのリンゴの輸出を再開。20年度はふじ約3㌧、21年度はふじ約9㌧を米国に出荷している。

 今年度は、盛岡市内の4ほ場で生産されたリンゴを出荷した。「日本ならではの品種が欲しい」という現地からの要望を受け、甘みの強い日本特有品種の「こうこう」を新たに出荷品目に加えた。

 同JAでは、リンゴを中心とした農産物の海外輸出を展開してる。2030年には、出荷量71㌧、金額にして4260万円まで輸出を伸ばすことを目標としている。



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