2023年
3月24日(金)

全文を読む

認知症当事者ら生き生きと 盛岡で「注文をまちがえるカフェ」 明るさも一緒に運ぶ 高校生らボランティアも感心

2023-01-27

 認知症当事者がホール従業員として働くカフェイベント「注文をまちがえるカフェin盛岡」が25日、盛岡市北飯岡のSoRacafe(ソラカフェ)で開かれた。任意団体ドリーム・シード・プロジェクト(運営・SoRaStars)の主催。認知症になっても社会と関わり続けることの大切さを伝える企画で、キャスト(スタッフ)らの生き生きと接客する姿は周囲に明るさを届けていた。

 同イベントは今回で6回目。飯岡、永井地区に暮らす高齢者6人がキャストを務め、ボランティアの高校生13人も運営を支えた。

 キャストたちは、ロゴ入りのエプロンに身を包んで客を出迎えて注文を受け、それぞれのテーブルに丁寧にワッフルや飲み物を運んだ。

 キャストとペアを組んだ高校生は、コミュニケーションを取りながら接客や配膳を手伝っていた。

 ときには、注文した客とは別のテーブルに注文品を運んでしまうことも。小さなミスも笑顔で受け入れ、店内には和やかな空気が流れていた。

 キャストとして参加した柳原レイ子さん(75)は「(配膳は)家でもしていること。北上市から姉が来てくれたし、こうしてみんなが来てくれてうれしい。高校生は、若いっていいねと思いつつ、しっかりしているからびっくり」と笑顔。

 柳原さんのサポートをした盛岡市立高1年の楠岡華瑠さん(15)は「こういうイベントでないと出会えない人たちばかりなので、来て良かった。レイ子さんはワッフルを出すときの向きにも気を付けていて、お話も上手。私もそういうスキルを身に付けられたら」と交流を喜んでいた。

 イベント開始時から運営に携わる、飯岡・永井地域包括支援センターの看護師で主任介護支援専門員の尾形京子さん(57)は「当事者の方は、家では不機嫌なことが多い人も、こういう場では新鮮な楽しみを得ていると思う。回を重ねて、参加したいという方も増えている」と分析。

 「認知症の人や家族を支える仕組みとして、盛岡市のあちこちで開催できるようになれば。この地区から発信していきたい」と、取り組みの広がりに期待した。



前の画面に戻る

過去のトピックス