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- 台湾からの教育旅行誘致へ 県がモニターツアー実施 台北の学校長ら参加 雫石高ではさんさ踊り体験
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2023-02-01
生徒から踊りを教わる台湾の教職員(中央)
台湾からの教育旅行誘致を図ろうと、盛岡広域振興局が主催する「台湾訪日教育旅行モニターツアー」が雫石町を中心に、1月30日から2月3日までの日程で開かれている。日本の高校に当たる高級中学の教職員3人が来県し、雫石高(佐々木佳史校長、生徒70人)などを訪問。教育現場や観光施設を視察した。
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台北市立陽明高級中学の蔡哲銘(サイ ヅォ メイ)校長ら3人が参加。2日目となる31日には雫石高を訪問した。
郷土芸能委員会の生徒ら13人は、伝統芸能の上駒木野参差踊を披露して歓迎。教職員も笠や法被を着て、よしゃれの踊りを体験した。
その後は生徒会役員とともに、郷土料理のへっちょこ団子や豚汁の調理を実施。昼食で地元の山菜料理とともに味わった。
通訳を挟みながら、さんさ踊りの起こりや、雫石の風習などが説明され、興味深そうに日本文化を体験していた。
蔡校長は、通訳を通じ「踊りはプロのようにそろっていて、素晴らしかった。今回来た教員らの学校は都会にある。都会にはない風景があり、生徒との体験も、台湾の生徒は必ず楽しめると思う。地元ならではの踊りや郷土料理、二つともぜひ体験させたい」と振り返っていた。
ツアーは、今回が初めての実施。台湾から本県への観光客数は、新型コロナ禍前の2019年で約25万人と国別で最も多く、今後の入り込み回復が見込まれる中で企画された。
同局などによると、降雪が少ない台湾の都市部の学校では、スノーアクティビティーや農家民宿、温泉などが体験できる教育旅行が人気という。それら要素を満たす雫石をモデル地域に設定し、4泊5日のプログラムを編制した。
31日以降は、農家民宿での宿泊、スキー場や小岩井農場の訪問、わんこそば体験や平泉の視察なども。
生徒間の交流を図るため、2月下旬には雫石高と台中市立東山高級中学とのオンライン交流会も予定されている。
同局経営企画部産業振興室の渡邉恵理子特命課長は「台湾では地元校との交流を重要視していて、今回の体験は充実感を得ていただけたと思う。県として取り組みを管内の学校に広げていき、ぜひ台湾の生徒たちを連れて岩手に来ていただきたい」と期待していた。
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