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- 部員ら一丸「やりきった」 盛岡白百合学園高演劇部 県で最優秀賞、東北大会で脚本賞も 「財布を盗んだだけなのに…」上演
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2023-02-04
県大会の優勝旗を囲む盛岡白百合学園高演劇部員たち
盛岡白百合学園高演劇部(千徳花瑠菜部長、部員5人)は、2022年10月に開かれた第45回県高校総合文化祭演劇部門(第48回県高校演劇発表大会)で最優秀賞を受賞し、23年1月20~22日に福島県いわき市で開かれた東北大会に出場。千徳部長(3年)が脚本を手掛けた「財布を盗んだだけなのに…」を一丸となって上演し、優良賞、創作脚本賞を受賞した。部員たちは稽古の日々と本番を振り返り、「やりたいことをやりきった。楽しかった」と胸を張る。
部員は3年の千徳部長と鎌田知優副部長、佐々木れいさん、2年の中瀬花さん、野田優芽乃さん。上演に当たっては照明を顧問の中谷由美子教諭が担当し、音響は部外の生徒2人の手を借りた。
千徳部長が筆名「ネガティブな晴れ女」名義で書いた上演作は、学校を舞台にしたコメディー。他人の財布から現金を盗む常習犯のまやと、重大な秘密を抱える映画部員らのやり取りをテンポよく描き、コミカルな演出で観衆を引き込んだ。
東北大会当日は、部員が実際に財布をホテルに忘れるなどのハプニングもありつつ、無事に演じきった。
千徳部長は「コメディーだが一般の高校生なので、一歩間違うと面白くなくなる。突っ込みをしないことで、観客に心の中で突っ込んでもらえるように心掛けた。爪痕を残せて良かった」と振り返る。細部は部員間で意見を出し合って作り上げ、「『ネガティブな晴れ女』は白百合演劇部。これが高校演劇だと思う」と感謝を込める。
鎌田副部長は「演劇のイメージを覆す脚本で、新しい演劇の枠を知れた。千徳が東北大会に連れて行ってくれて感謝。大人になっても演劇に関わり続け、いずれ大きな舞台に立ちたい」と目標を描く。
昨年6月に入部した佐々木さんは「好きな演劇に関われて、大会に出られて、脚本が評価されたのも、自分のことのようにうれしかった。演劇部は楽しくて、つらいことがあっても部活のために頑張れた」と仲間に感謝。
千徳部長は「いい先輩、顧問、後輩、友達に出会えた。演劇に青春を費やして良かった」とほほ笑んだ。
3年生が引退すると、部員は2年生2人のみ。野田さんは「部員がいないので、来てもらいたい。自分が楽しいと思える、(観客として)自分が見ても後悔しない舞台をやりたい」と意気込む。
中瀬さんは「先輩たちのおかげで2年間楽しかった。3年生になっても、その楽しさは失わずにいたい」と今後を見据えている。
中谷教諭は「やりたいことを、自分たちで考えてやってくれて頼もしかった。私も照明係の部員の気持ちで、やっていて面白い劇だった」と部員たちをねぎらった。
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