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- 「美酒伝承のストーリー」 銘柄「Rondo」を引き継ぎ i-sakeプロジェクト 酔仙酒造から岩手銘醸へ
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2023-03-06
酔仙酒造から岩手銘醸に「Rondo Iwate」を引き継ぎ、鏡開きと乾杯で祝った
県内の学生らが蔵元と共同で酒造りに携わる「i―Sakeプロジェクト」(太田愛梨代表)の銘柄引き継ぎ式が4日、盛岡市上田のコラボMIU(市産学官連携研究センター)で開かれた。i―Sakeが2020年から蔵元と共同開発する日本酒「Rondo Iwate」の今年の新酒をお披露目し、同世代の若者へ日本酒の魅力をアピールした。
同プロジェクトは、日本酒の消費量が減少傾向にある中、マイナスイメージを払拭し、親しみを持つきっかけづくりを念頭に、19年に発足。盛岡市内の農家から農地の協力を得て、酒米の田植え収穫を行い、醸造までを実践する。酒造りを一つの輪のつながりに見立て、開発した酒名にエスペラント語の「輪」を意味する「Rondo」と名付けている。
初年度から、月の輪(紫波町)、菊の司(雫石町)、酔仙酒造(大船渡市)と共同開発のバトンをつなぎ、23年は岩手銘醸(奥州市)の純米吟醸酒を約900本販売する。
銘柄引き継ぎ式では、酔仙酒造の金野連社長から岩手銘醸の三浦健太郎杜氏に「伝承之書」が手渡された。一同は鏡開きと乾杯で祝った。新酒のラベルは、公募でデザイン案を選定。岩手大農学部2年の荒木田里実さん(20)のデザインが選ばれた。
同2年の太田代表(20)は「若者の感覚で伝え、日本酒に対するハードルを下げたい。学生との橋渡しになれば」と期待を込める。目標は、県内に21ある蔵元すべてとコラボすること。「最終的にはコンプリートしたい」と意欲を示す。
引き継ぎ式に続き、太田代表が金野社長、三浦杜氏との対談で意見を交わした。
今年のRondoの出来について、三浦杜氏は「大学生、若い人に飲んでもらいたいコンセプト。単体でも飲める甘口で、酸味も加え、すっきりとしたお酒に仕上がった」と太鼓判。
金野社長はプロジェクトの取り組みを経て、「若い人の登竜門になる酒が必要だと勉強させてもらった。発信してくれることはありがたい。美酒伝承のストーリーになる」と高く評価した。
太田代表は「蔵元の方の熱意、情熱を常に感じている。後輩たちにも伝えらるよう、活動を続けたい」と思いを新たにしていた。
「Rondo Iwate2023」は720㍉㍑入りで税込み2200円。鍵屋酒店(中ノ橋通)、坂本酒店(盛岡駅前)、リカーコートプロースト(フェザン地下1階)などで販売中。
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