2023年
3月24日(金)

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<復興教育の現在地> 備える大切さ自分事に 平舘高 沿岸地域を訪問 小中学生への伝承も

2023-03-11

陸前高田市を訪問し、津波伝承館を見学(平舘高提供)

 八幡平市平舘の平舘高(北島亨校長、生徒149人)は今年度、いわての復興教育スクール事業として、3学年が6月に陸前高田市訪問、7月に防災講習会、10月に小中学校を訪問しての震災学習、全校で12月に地域の災害を想定したワークショップを実施した。髙橋愛雄さん(3年)は「大地震は経験したが、津波は身近なことではなかった。津波の恐怖を改めて学び、身近な他の災害対策も練るべきだと思った」と意識を新たにした。 
   (相原礼以奈)

 陸前高田市では、津波伝承館、高田高などを見学。地元商工会の会長と副会長にバスに同乗してもらい、案内を受けて同市内を巡った。「地元を知ることで自分の自信につながる」「何においても人とのつながりが大切」との言葉も掛けられたという。


西根一中の生徒たちとは、意見交流会で学びを深めた(平舘高提供)

 見聞きした内容を、連携校の平舘小、西根一中と共有。小学生には災害のイメージを深め、主体的に考えられるよう、画像やクイズを取り入れて伝えた。中学生も沿岸地域での研修を経験していたため、意見交流会を通して互いの考えを深めることができた。

 講習会やワークショップでは、八幡平市で想定される火山噴火、洪水、土砂災害などの危険性や備え、避難行動を学習した。

 1月に盛岡市の県民会館で開かれた実践発表会で、代表生徒が成果を発表。高田高、釜石高、軽米高の生徒と、年下の震災を知らない世代への伝承方法について意見を交わした。


八幡平市役所で市議らを前に取り組みを報告する生徒たち

 2月には八幡平市役所で、市議らを前に報告。生徒たちは取り組みを総括し、「学びの後、何をするかが大切。今年度、小中学生と交流したように、今後の世代に少しでも伝えていきたい。自分たちが住んでいる、この八幡平市のことを大切にしていきたい」と結んだ。

 髙橋さんは「伝える機会を個人で設けるのは難しく、今回のように団体でやることで伝えられる。聞く側も、自分事として聞くことが大切」と、伝承の在り方に考えを深めた。

 今後、同市で想定される災害には「火山噴火などは範囲が広く、すぐ逃げるのは難しい。事前の備えが、八幡平市に住んでいる人には欠かせないと思う」と意識する。

 平舘高の3年学年長、鈴木裕介教諭(39)は「陸前高田市を訪問して被災の様子を知り、小中学生に伝える中で、『備えなくては』という思いになっていった」と、生徒たちの変化を語る。

 「いわての復興教育」は、「生徒一人ひとりが備えられる人になるもの」と考える。「いずれ八幡平市でも、別の自治体に住むとしても、常に備えられる人間になってほしい。それを家族や周りの人に伝え、助けられる子になってほしい」と期待を込めた。



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