2023年
6月9日(金)

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本県選抜が初の8強 全日本少年アイスホッケー中学生男子の部 勝ちたい気持ちが結果に 通年使用可能な施設整備も後押し

2023-04-06

第17回全日本少年アイスホッケー大会中学生男子の部で県勢初の8強入りを果たした県選抜チーム(工藤監督提供)

 3月25日から29日まで北海道釧路市の釧路アイスアリーナなどで開かれた第17回全日本少年アイスホッケー大会中学生男子の部(日本アイスホッケー連盟など主催)で、本県選抜が同大会初の8強入りを成し遂げた。主将を務めた田村勇和さん(北陵中3年)=盛岡南ペンギンズ=は「県選抜初の結果ということもあり、達成感がこれまでの大会より大きい。チーム全員でつかみ取ったもので、価値の大きい」と喜びを語る。

 本県選抜チームは、県内で活動する五つのアイスホッケーチーム(盛岡南ペンギンズ、盛岡レッドウイングス、石鳥谷イーグルス、二戸カシオペアスターズ、水沢ドルフィンズ)から選手を選抜した。各種大会で活躍した選手を活動に招集し、年間を通じて活動。全国大会1カ月前に選手18人を絞り込んだ。

 年代別代表候補に選ばれたこともある田村主将と内村勇次選手(滝沢二中3年)=盛岡南ペンギンズ=を中心としたチームで、工藤光広監督(37)は「選手の仲は良く、それでいて勝ちたい気持ちが強いチームだった。試合中も、選手間で話し合ってプレーしていた」と語る。

 大会には、全国から20チームが出場。予選リーグで4チームによる総当たり戦を行い、各ブロックの1位チームと大会本部の審査で選ばれた2位の1チームが1~6位を決める決勝トーナメントに、各ブロックの2位チームと大会本部の審査で選ばれた3位の2チームが7~10位を決める順位決定トーナメントに進む。

 本県選抜は、予選で栃木、東京、滋賀・京都とのリーグ戦に臨んだ。岩手、栃木、東京の3チームが2勝1敗の勝ち点6で並び、当該チーム間の得失点差で岩手は3位となるも、大会本部の審査を通過し順位決定トーナメントに進出した。

 決勝トーナメントでは、1回戦で埼玉に8―3、2回戦で愛知に3―2でそれぞれ勝利。7―8位決定戦では青森に3―4と惜敗したものの、通算6試合で4勝を挙げ、本県アイスホッケー界の歴史を塗り替えた。

 田村主将は「全員が足を動かし、体を張ったプレーをした結果。栃木や青森などの強豪はスピードとスキルはあるが、それに負けじとチーム全員が全力でプレーした結果」と大会を総括した。

 4月からは神奈川県の高校に活動の場を移しており、「部活動という場で、さらなるレベルアップを目指したい。課題を一つ一つ改善し、チームに欠かせないプレーヤーになりたい」と意気込む。

 県選抜チームのメンバーには「アイスホッケーに対しとても真剣で、全力でプレーするみんながいたからいいチームになり、いままでにない成績を残せた。新年度も高みを目指して頑張ってほしい」とメッセージを寄せた。

 県アイスホッケー連盟によると、これまでの同大会の最高順位は9位だった。

 今大会は、選手の役割を分担する戦術が奏功したと分析する工藤監督。「すごい選手たちで、携わることができて感謝している。自分の中で、全国ベスト8の実力、戦い方の基準ができた。今後に生かしたい」と振り返った。

    ◇

 県アイスホッケー連盟の松岡寛樹理事長(37)によると、近年は通年使用が可能なみちのくコカ・コーラボトリングリンク(盛岡市本宮)が開場した効果で、ジュニア年代の実力が向上しているという。中学生年代以下では、3月26~29日に長野県軽井沢町で開かれた第18回風越カップ全日本少年アイスホッケー大会(小学生の部)にも、本県選抜が東北第2代表で出場している。松岡理事長は「興味のある人は、ぜひ地域のクラブの練習を見に行ってほしい」と呼び掛けた。
 (所属、学年はいずれも大会当時)



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