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- 介護福祉士国家試験に合格 技術実習生から本県初 ベトナム出身 グエン・ティ・チャンさん
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2023-04-07
利用者と一緒に体操をするグエン・ティ・チャンさん(右)
盛岡市長橋町のデイサービスふくろうの広場長橋台(佐藤朋子管理者)で働くグエン・ティ・チャンさん(24)=ベトナム出身=が、1月に受験した介護福祉士国家試験に合格した。グエンさんは2019年6月から技能実習生として同施設で実習し、現在は特定技能外国人として働く。技能実習生からの同試験合格は本県初。難関を突破したグエンさんは、「職場の皆さんが、仕事も日本語も一生懸命教えてくれて感謝。介護の技術や知識をアップしたい」と日々の業務に向き合っている。
介護系技能実習生らの介護福祉士国家試験は22年に続き2回目。合格するには、▽N2(日常会話に加えて、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解できることが目安)レベルの日本語能力▽3年間実習後の在留資格▽実務者研修の受講│が必要で、試験の厳しさから全国でも合格者は少数という。
グエンさんはベトナムで高校を卒業後、働いて家族を支えようと来日した。仕事をしながら日本語の習得に取り組み、21年7月の日本語能力試験でN2に合格。国家試験には今回初挑戦で、見事合格を手にした。
仕事を終え、帰宅してから日本語と介護の勉強に励んできた。テキストを使うほか、動画サイトのユーチューブで日本語学習用の動画を見るなどして知識を付けた。勉強に集中している間は電話にも出ず、同僚の施設職員が心配するほど。
職場では明るい人気者。佐藤管理者(45)は、同時期に受け入れたグエンさんら特定技能外国人2人に「仕事を覚えるのが早く、最初から優秀だった。60人近い利用者さんの名前を覚えるのも早い」と目を細める。
学んだ日本語に対して、日常耳にする言葉には方言やなまりもあるが、「言葉は違うけど、慣れたからコミュニケーションが取れている」とグエンさん。仕事中、「お茶っこしましょう」と呼び掛けることもあるという。
試験に合格したことで、今後免許を申請して登録されると、介護福祉士としての在留資格(就労期間の制限なし)を得る。グエンさんは「将来の夢は、いろいろな資格を持つこと。勉強をするのは好きで、いいこと」と、幅広い学びに目を向けている。
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