全文を読む
- 水上・高橋コンビの滝沢チーム優勝 VIVITAロボコン in TOKYO トラブルも冷静に乗り越え
-
2023-04-08
「VIVITA ROBOCONinTOKYO2023」で優勝したロボットを操縦する水上優さんと高橋悠月さん(左から)
自作のロボットを操縦してフィールド上の課題を乗り越え、得点を競う「VIVITA ROBOCON(ビビータ ロボコン)inTOKYO2023」(VIVITA、VIVITAWERE主催)が2日、東京都のコクヨ本社で開かれ、滝沢市のビッグルーフ滝沢を拠点に活動する岩手大附属中3年の水上優さん(14)=同市湯舟沢=と同2年の高橋悠月さん(13)=盛岡市西青山=のチーム「ワッカ・ティーダ」が優勝した。水上さんは、前回2019年の本大会個人戦でも優勝しており、「チーム滝沢」としての優勝は2大会連続。ロボットの操縦は全国トップクラスという水上さん、アクシデントにも落ち着いて的確に行動できる高橋さんのチームワークで快挙を成し遂げた。
水上さんと高橋さん、大会に同行したビッグルーフ滝沢施設長の沼崎真吾さん(48)が7日、武田哲滝沢市長を表敬訪問し、優勝を報告。武田市長は「とても素晴らしい。それぞれにいろんな工夫をして大会に臨んだと思うが、これを一つの契機にして、また次の課題に取り組んでいただければ」と期待を込めた。
本大会は新型コロナの影響で3年半ぶりに開かれ、国内各地とエストニア、フィリピンから27チーム54人が出場した。水上さんと高橋さんは、ビッグルーフ滝沢が主催し、今年1月に開講した「VIVITA ROBOCON in TAKIZAWA」に参加。1~2月の12回の講座でロボットの製図、切り出し、組み立てに取り組み、タブレットを使ってプログラミングを実施。各1台のオリジナルロボットを製作し、大会に臨んだ。
大会の基本ルールは、2人1組で1人1台以上のロボットを操縦し、競技エリア内の缶やボールを運んで合計得点を競うもの。水上さんが滝沢小5年のときに出場して優勝した前大会までは小学生の個人戦だったが、3年半に及んだ中止期間を考慮して本大会は中学生までを対象のチーム戦とした。
競技の満点は86点。水上さんらは練習で常に70点以上の高得点を挙げていたが、本番では緊張とプレッシャーもあり55点にとどまった。
工事現場をモチーフにしたフィールドで5分間の競技中、高橋さんのロボットのアームの一部が壊れるというトラブルがあったが、残った片方のアームでボールは押し出す方法に変更。高所のボールをアームに針金を装着した高橋さんのロボットで落とし、操縦に優れた水上さんがゴールに入れていくという作戦も奏功。他チームの得点は及ばなかった。
水上さんは「55点の点数で勝てるか不安はあったが、優勝できたのはこれまでの努力が実ったのかな」と喜び、高橋さんは「練習があったからこそ、慌てずに対応することができた」とうなずいた。
全国の出場チームは、水上さんらのチームとは異なり、通年の活動拠点を持っている場合が多い。その中での2連覇に、沼崎さんは「滝沢の名前を全国に知らせてくれた」とたたえ、「これまでの実績を機に、児童生徒が通年でロボットやプログラミングに触れる場所が実現するといい」と期待を込めた。
前の画面に戻る