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「貢献したい」思いつなぐ クロス・クローバージャパン ネコの書き手ボランティアプロジェクト 寄付の返礼に飼い猫の絵 県立大生ら参加

2023-04-13

学生ボランティアの作品と、もとになった写真。「絵柄が全然違うので楽しい」と太野社長

 猫目線のものづくりによる困りごと解決に取り組む盛岡市のクロス・クローバー・ジャパン(太野由佳子社長)は、2022年12月に「ネコの書き手ボランティアプロジェクト」を立ち上げた。動物愛護団体へ届ける寄付を募り、絵を描くことが好きな大学生らが寄付の返礼として飼い猫の絵(チャリティー絵画)を描く。「できることで貢献したい」と考える学生と寄付者、動物の保護活動をつなぐ取り組み。3月28日には、2月末までに寄せられた寄付金を動物いのちの会いわて(下机都美子代表)に届けた。

 きっかけは、22年10月の県立大での講演。太野社長は、自身の経験から「ボランティアを通して普段会えない人に会える」と話したところ、活動したいと思いながら行動を起こせずにいる学生が多いと知った。

 以前、愛猫を油絵で描いてもらったことがヒントになり、学生が勉強の合間など任意の時間と場所で活動できる同プロジェクトを企画。大学のボランティアセンターの協力も得て参加者を募集し、23年3月時点で、県立大と県立産業技術短期大学校の学生計52人が参加していた。

 寄付者から寄せられた飼い猫の写真やエピソードをもとに、油彩、鉛筆、色鉛筆、デジタルアートなど得意な画材で描く。作品には、描いた学生それぞれの個性も表れる。

 県立大社会福祉学部4年の天沼萌々花さん(21)は、新型コロナ禍の影響もあり、サークルなどに所属していなかったことから、同プロジェクトに参加。4回ほど描き、飼い主からは「感動した」など温かな感想も。


動物いのちの会いわてへの寄付贈呈式の様子(クロス・クローバー・ジャパン提供)

 「自分が描いたもので誰かを喜ばせられると分かってうれしかった」と天沼さん。自身も猫好きだが、アレルギーで飼うことはできない。「絵を描くことで、少しでも猫の保護活動に貢献できるのはうれしく感じる。4年生で忙しくなるが、続けられる限りは続けたい」と意気込む。

 3月28日は、同プロジェクトを含むチャリティー商品による寄付金の計26万3700円を贈った。学生らも参加し、同会施設の見学や保護猫の写生会も行った。

 太野社長(45)は「1人でできることは限られていて、アイデアだけではできず、寄付をして猫の写真を送ってくれる人、描く人の協力があって、関わっている人がみんなうれしくなれる。やって良かった」と振り返る。

 新年度となり、参加する学生は入れ替わるが、プロジェクトは続く。「いろいろな人に体験してほしい。自分が関わっているということで、アンテナが立ち始めると思う。保護動物について知ってもらうきっかけにもなれば」と期待した。

 チャリティー絵画の寄付額は税込み1650円。同社オンラインショップ「nekozuki(ねこずき)」サイト内で「チャリティー絵画」で検索して、詳細確認や寄付ができる。



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