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- コロナ前の規模で開催 今年のチャグチャグ馬コ 行進ルートも戻す 材木町商店街での休憩復活
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2023-04-14
チャグチャグ馬コ保存会の総会であいさつした谷藤市長
6月10日に開催を予定するみちのくの初夏を彩るチャグチャグ馬コ(同保存会主催、盛岡市観光課事務局)は、コロナ前の規模と行進ルートで開催されることが決まった。同保存会の通常総会が13日、盛岡市中ノ橋通のプラザおでってで開かれ、会長を務める谷藤市長ら役員が実施要項を承認した。
今年度の行進ルートは、新型コロナ感染拡大の影響により縮小していた経路を2020年度以前に戻す。盛岡ふれあい覆馬場プラザ前休憩を10分延長し、材木町商店街での馬の休憩を復活する。
盛岡市大通商店街でのパレードは、昨年度の15分から、60分で実施予定。マスク着用や距離の確保など、感染症対策に関する注意喚起や、参加者の健康管理は行わない。
昨年度は3年ぶりの開催で過去最高の18万4千人が観覧した。
今年度の主な事業では、JR盛岡駅から滝沢市の鬼越蒼前(おにこしそうぜん)神社間の無料シャトルバス運行を復活させる。運行台数は7台。
馬主の高齢化などの影響により、近年減少傾向にある馬資源の確保については「繁殖馬飼養管理事業」を廃止し、今年度子馬を購入した同好会員に対し奨励金を給付する「馬資源確保奨励金事業」を実施。飼養管理事業により同保存会が所有している馬の「浄鈴」は同好会員に無償で譲渡するとした。
ほかに、新規事業として、▽技術向上を目指す引き手講習会▽文化庁の補助金を活用した同好会加入促進▽クラウドファンディングにより財源の確保を図る祭りの在り方検討事業―に取り組む。
谷藤市長は「世界的にも類をみないチャグチャグ馬コの保存継承に努めたい。国内外からの観光客に対応した取り組みを進める」と述べた。
南部盛岡チャグチャグ馬コ同好会の菊地和夫会長(72)は「開催が決まり、ほっとしている。去年は3年ぶりの開催で、待っていたよという声が多かった。今年はさらによい馬コをお見せしたい」と期待を込めた。
チャグチャグ馬コは鮮やかな装束をまとった約60頭の馬と引き手が鬼越蒼前神社で参拝後、盛岡市の盛岡八幡宮までの道のり約14㌔を約4時間かけて練り歩く。「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」「残したい日本の音風景百選」に指定されている。
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