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- B2昇格決定 ビッグブルズ 横浜EXに連勝 プレーオフ準決勝 「最強の盾」の真価示す
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2023-05-01
2Q残り7分10秒、横川(左)からのパスを直接ゴールにたたき込むムッサ・ダマ(中央)=30日
男子バスケBリーグ3部(B3)の2022~23シーズンプレーオフセミファイナル(準決勝)の岩手ビッグブルズ(レギュラーシーズン(RS)1位)対横浜エクセレンス(同5位)は29、30の両日、盛岡市本宮の盛岡タカヤアリーナであった。RS1試合平均65・96失点(リーグ最少)の「最強の盾」岩手は、同91・23得点(リーグ最多)の「最強の矛」横浜EXを相手に第1戦を86―70、第2戦を89―81で連勝し、決勝進出を決めた。プレーオフ2位以上も確定し、2017―18シーズンのB3降格以来6シーズンぶりのBリーグ2部(B2)復帰を勝ち取った。
岩手は、29日の第1戦の立ち上がり、横浜EXに先行を許す。2クオーター(Q)で逆転すると、その後は流れを離さず。今季のB3でMVPを獲得したSFクリスチャン・ドゥーリトルが21得点、昨年12月の負傷から今年4月に戦線復帰したSG高畠圭介が20得点と躍動し、B2復帰へ王手をかけた。
30日の第2戦も、序盤は横浜EXが先行。岩手は2Q以降、ドゥーリトルやPFムッサ・ダマら外国籍選手を軸としたインサイドの攻撃で活路を見いだし猛追。ダマのダンクやPG石川晴道の得点で逆転に成功すると、その後は一進一退の展開が続く。
3Qも立ち上がりこそ競り合いが続くが、岩手はPFジェラルド・ビバリーのバスケットカウントや高畠の3点シュートで流れをつかみ、リードを奪う。横浜EXも4Qに意地を見せたが、リーグ最強の守備がはじき返し、試合終了。アリーナ全体に歓喜の渦が広がった。
主将のPG横川俊樹は「コートに立つ以上、RSで戦ったすべてのチームの思いを背負って戦った。チームメートも、自分のミスをカバーしてくれた。感謝の気持ちでいっぱい」と、一瞬表情を緩める。すぐに「80点取られていることは課題。決勝の相手はまだ決まっていないが、チーム全員で戦いたい」と目線を先に向けた。
準決勝2試合で49得点と大暴れのドゥーリトルは「ブースター(観客)のエナジーを感じて試合をすることができた」と感謝。決勝戦に向けては「完全優勝したい」と気を引き締めた。
鈴木裕紀ヘッドコーチは「今シーズン、選手たちは自分の指示を100%してくれて、さらにアイデアも出してくれた。苦しい練習も頑張ってくれた」とチームをたたえた。
30日は会場にクラブ最多3612人の観客が詰め掛け、選手を後押し。試合後には総立ちで、チームとともにB2復帰の喜びを分かち合った。
盛岡市の小守拓裕さん(43)は「持ち味と言われた守備だけでなくまとまりと明るさがあった最高のチーム。つらいときもあったが、信じて応援し続けてきてよかった。これからも勝ち続け、いつかはB1優勝を果たしてほしい」と興奮気味に語った。
今シーズンのB3優勝を決めるプレーオフファイナル(決勝)は5月6~8日に盛岡タカヤアリーナで行われ、岩手はさいたまブロンコス(RS2位)と静岡ベルテックス(同3位)の勝者と頂点を懸け対戦する。
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