2019年
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海外進出から業界旗振り 伝統的工芸品産業功労者 岩鋳の岩清水会長 南部鉄器ブランド広める

2019-11-01

業界をけん引した功績を評価された岩清水会長

 県南部鉄器協同組合連合会(72組合員)の岩清水晃会長(76)=岩鋳(盛岡市南仙北、資本金9320万円)会長=が、2019年度伝統的工芸品産業功労者の経済産業大臣表彰に選ばれた。国内で先駆けて輸出を始め、海外のニーズに沿ったカラフルな急須を開発するなど、柔軟な商品展開で南部鉄器の価値を高め、県内事業者をけん引。業界の再興や後継者、若手職人の増加に大きく貢献した功績が評価された。

 1970(昭和45)年代早々から輸出を開始。フランスに鉄瓶200個を販売し、当時の輸出額は60万円ほどだった。半世紀経った今、販売先はヨーロッパ、米国、中国まで広がり、急須や茶托、釜敷、ぐいのみなど多数の品を年間20万個販売している。2018年度の売上高は約4億5千万円で、総売上高の半分に迫る勢いだ。

 成功の秘訣は、伝統技術はそのままに輸出先の要望や用途に柔軟に対応したこと。「カラフルな鉄瓶が欲しい」との要望から1980(昭和55)年に始めた色付き急須は、現在140種のカラーバリエーションをそろえる。

 さらに0・01㍉の穴や傷も許さない伝統工芸のクオリティーを維持したことで、「見栄えや使い勝手が、他国製品とは別格」、「日本の急須と言えば岩鋳」と評価を得て、欧州と米国で南部鉄器のシェアナンバー1となった。

 組合員らがこれに追随し、縮小傾向だった南部鉄器の需要を右肩上がりに。業界が活気付き、ここ10年は30~40代の職人や事業の後継者が増加している。

 岩清水晃会長は「伝統を守り継ぐには、購入を促す商才も必要。品質維持は徹底しながら、時代や人に合わせること。需要が伸び、商品価値が高まれば、後継者含めておのずと人が集まる」と示し、「南部鉄器業界を今後100年隆盛させる」と強く決意した。

 同功労者表彰は伝統的工芸品産業振興に顕著な功労があった人などを表彰するもので、1984年に創設された。経産大臣表彰には全国45人が選ばれ、県内は南部鉄器伝統工芸士の田山和康さん(滝沢市)、県浄法寺漆生産組合前組合長の工藤竹夫さん(二戸市)の3人が受賞。11月2日の市民文化ホールでの「伝統的工芸品月間国民会議全国大会」式典で、表彰式が行われる。



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