全文を読む
- 県民と苦労分かち合い 23年度県勢功労者に6氏 震災復興などで尽力
-
2023-05-13
県は12日、2023年度の県勢功労者6氏を発表した。44回目の顕彰となる今回は、元県公安委員長の雫石禮子氏(81)=盛岡市、元アイビーシー岩手放送社長の阿部正樹氏(80)=同、元県医師会長の小原紀彰氏(80)=花巻市、県立大名誉教授の細江達郎氏(80)=盛岡市、元県歯科医師会長の箱崎守男氏(78)=同、元県農業協同組合中央会(JA県中央会)会長の田沼征彦氏(78)=滝沢市=の6人が選ばれた。表彰式は、本県が現在の形となった記念日の今月25日に行う。
雫石氏は警察行政の刷新改革や委員会管理機能の充実に尽力するなど、公共の安全と秩序の維持に貢献した。東日本大震災津波後は直ちに被災地を訪れ、現場の警察官の士気高揚を図るとともに、継続的な公安委員会の開催を通じ、被災地の治安維持に貢献。また、県立大名誉教授などとして、福祉分野の人材育成に尽力するとともに、県教育振興基本対策審議会委員として本県教育振興施策の推進にも貢献した。
阿部氏は放送事業の充実発展に尽力するとともに、多様な放送番組の制作を通じ、県民が文化芸術に触れる機会を提供するなど、本県放送文化の振興に貢献した。東日本大震災津波に際し、ラジオをはじめとした各種媒体での被災者に対する情報発信に尽力したほか、震災の記憶を風化させないための取り組みを継続して実施するなど、震災の伝承にも寄与した。また、いわて愛の健康づくり財団の理事長として臓器移植の普及に尽力し、本県医療福祉の向上に貢献した。
小原氏は組織の充実強化に努めるとともに、在宅医療体制の構築や終末期医療の充実に向けた活動に尽力するなど、本県保健医療の発展に貢献した。新型コロナウイルス感染症への対応に尽力し、全医療圏への地域・外来検査センターの設置やワクチン接種体制の構築など、本県公衆衛生の増進に貢献。県予防医学協会会長などとして、県民の健康保持増進や予防医学、保健医療の充実に貢献したほか、県医療審議会会長などとして本県医療施策の推進に貢献した。
細江氏は有為な人材の育成に努めるとともに、社会福祉学部および大学院の新設に尽力するなど、本県高等教育の環境整備に貢献した。社会心理学や犯罪心理学を専門とし、県臨床心理士会のスクールカウンセラーのコーディネーターとして、教育相談体制の充実に尽力し、青少年の健全育成にも貢献。いわて被害者支援センター理事長として、被害者の心に寄り添う活動にも尽力するなど、安全・安心な地域づくりに向けた取り組みも推進した。
箱崎氏は組織の充実強化に努めるとともに、無歯科医地区での口腔衛生思想の普及に尽力するなど、本県歯科保健医療の発展に貢献した。東日本大震災に際し、被災した開業歯科医の事業再開支援などに尽力し、被災地における歯科医療の確保にも貢献。学校歯科医として、児童・生徒の歯科検診活動および健康管理に尽力するなど、学校歯科保健活動の推進に貢献したほか、県医療審議会の委員として、本県保健医療施策の推進に貢献した。
田沼氏は農協の健全な発展や農家組合員の所得増大、農畜産物の広報活動に努めるなど、本県の農業振興に貢献した。東日本大震災津波に際し、甚大な被害を受けた農業基盤の復旧支援や放射能汚染の被害対策に取り組むなど、本県農業の再興に貢献。県東日本大震災津波復興委員会委員として、復興施策の推進にも尽力した。
達増知事は12日の定例会見で、「それぞれの分野で長年にわたり活躍された方々。特に東日本大震災津波の際に救助から復興へという過程の中で尽力された方でもあり、県民と苦労をともにしながら今日を迎えた方でもある。県民みんなで顕彰することで、関心を持ってほしい」とコメントした。
前の画面に戻る