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- 歌人大西民子しのぶ 上の橋そばで碑前祭 盛岡二高生が作品紹介
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2023-05-14
献花した中島やよひさん(左)と阿部正樹会長
故・大西民子の歌が刻まれている、きららか歌碑前(盛岡市上の橋)で13日、「第15回碑前祭」が開かれた。波濤短歌会や盛岡二高の生徒など約55人が出席。歌碑への献花や、盛岡二高音楽部による合唱発表などで、故人をしのんだ。
きららか歌碑は、盛岡市出身の歌人、大西民子をしのび、もりおか民子の会(阿部正樹会長)が顕彰活動の一環として、2009年5月8日に上の橋緑地内に建てた。
歌碑には「きららかについばむ鳥の去りしあと長くかかりて水はしづまる」と刻まれ、現在も地域の人々に大切にされている。
阿部会長は「大西さんは故郷盛岡を訪れることはなかったが、われわれは波濤短歌会リーダーの中島やよひさんの、どうしても先生を故郷に帰したいという思いから活動してきた。この日は、中島さんの涙がなかったら、なかったかも知れない」と振り返った。
一人ひとり献花を終え、盛岡二高文学研究部の生徒が大西民子の作品「葱の花」「桃の木は」を読むと、ソプラノ歌手の笹原美香さんが歌い、盛岡市内でピアノ講師を務める玉山得子さんがピアノを弾く。出席者らは、中津川のほとりで美しい音色に耳を澄ませた。
同部の杉若美那さん(2年)、吉田遥叶さん(2年)、戸塚帆ノ夏さん(3年)は「私の好きな1首」を紹介。
戸塚さんは「風花のややありてまた舞い出づる川面はうすく夕映えのして」を、「川の水面に落ちていく雪を『風花』と表現することで、春に風に吹かれ水面へと舞い散る桜が連想される」と説明した。
同校音楽部は20人で「きららかに」や「校歌」、「瑠璃色の地球」など5曲を披露。校歌は昔使われていたものと、いま使っているものを2種類合唱し、大西民子とその作品をしのんだ。
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