2023年
6月9日(金)

全文を読む

平時から水害に備えを 盛岡市 内水ハザードマップ作成 下水道管や水路からの浸水想定

2023-05-18

 新たに作成された盛岡市盛南地区などの内水ハザードマップ

 盛岡市は、新たに盛南、仙北、都南地区の国道4号周辺区域の内水ハザードマップを作成し、同市上下水道局のホームページで公開している。局地的大雨などで起きる下水道管や水路からの浸水(内水浸水)が想定される区域の浸水域などをまとめた。6月中旬までには、対象区域の3万2415世帯向けに印刷し、配布する予定。その上で、7月中をめどに、地域別に計4回ほど説明会を開催する。

 河川の増水により堤防から水があふれたり、堤防が決壊したりして起きる外水氾濫(洪水)に対し、内水浸水は、降雨が下水道などの排水能力を一時的に上回ることで発生する。内水浸水は規模が小さく、地形や土地の低さなどにより、河川の近くに限らず、浸水範囲が点在することが特徴。

 近年、局地的大雨など短時間に強い雨が降ることが増え、内水浸水の危険が増していることから、平時から備え、市民の自助に役立ててもらおうとマップを作成した。

 同市の内水ハザードマップ作成は、2018年の市中心部マップ(盛岡駅周辺や内丸、菜園など)に続き2回目。今回のマップは20~22年度に、データ作成を行った。


地図面(右)と情報・学習面(左)。八つ折りでA4サイズになり持ち運びに便利


 地図面(表)では、想定最大規模降雨(1時間120㍉)を想定して浸水想定区域や浸水の深さを色分けで示し、避難施設などを記載。大雨時に危険となる地下歩道やアンダーパスも「×」印で示した。

 情報・学習面(裏)には、水害に備えた日頃の準備や心構えなどを記した。

 対象地域は、07年や13年の豪雨被害など、過去の浸水実績をもとに設定。最近では同市永井のキャラホール付近の水路で22年夏に2回、あふれそうになっているとの通報があり、うち8月3日は土のうを積んで対応した例がある。

 同市上下水道局上下水道部下水道整備課の本間剛英課長(58)は「危険が迫ったときに初めて使うのではなく、平常時から地域の状況を把握するのに役立て、防災意識につなげてほしい。避難の方法を考える上でも有効。公助としてハード面の整備も進めていくが、命を守るため、自分の住んでいる場所や周辺のリスクを知ってほしい」と呼び掛けている。

 同市は、将来的に市内全域の内水ハザードマップ作成を目指す。23年度中に次の地域のマップ作成へ道筋を付け、24年度に作成に着手するとしている。



前の画面に戻る

過去のトピックス