2023年
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紫波三中で「春のあずまねカフェ」 地域の“先生”の話聞く 自分らしく生きる力育む狙い

2023-05-24

ゲストティーチャーからそれぞれの仕事や課題について聞く紫波三中の生徒たち

 紫波町稲藤の紫波三中(角谷隆章校長、生徒116人)は23日、キャリア教育特別授業「春のあずまねカフェ」を開き、地域の各分野で活動する社会人をゲストティーチャーとして招いた。生徒は対話を通して、自分らしく生きていくための心構えや職業観を養った。

 この取り組みは22年度に次いで2回目。地域の人や仕事を通して社会を感じ、自分らしく生きる力を育んでもらうのが狙いで、全校生徒が参加した。

 ゲストティーチャーは、町職員、農業、会社員、杜氏、保育士、獣医、陶芸家ら幅広い職業の20人。

 生徒は事前に、自分が話を聞く人のプロフィールなどを確認して質問を考え、20グループに分かれて参加。自己紹介をした後、ティーチャーから仕事の内容ややりがい、今後の課題などについて聞いた。

 「ティーチャー」の一人、紫波町片寄の農業、細川大輔さん(41)は、稲作と野菜栽培、牛の飼料の生産などについて説明。新型コロナウイルスの影響で減少した米の消費量や収入をコロナ前に戻そうと力を尽くしていることを話した。


対話の内容と感想を発表する生徒

 「地球温暖化対策はしていますか」という質問には、「燃料を減らすため(農機具の)エンジンの回転数を減らすなど、できることから取り組んでいる」と答えていた。

 紫波町商工観光係長の須川翔太さん(38)は、企業支援、就職支援、観光振興、廃校活用といった幅広い仕事内容を解説。

 「仕事をする上で気をつけていること」を問われると、「紫波町に住んでいる人たちが何を考え、どういう生活をしていきたいのかを把握するために、企業や一人ひとりの話を聞くことが大切」と答え、「『ありがとう』と言ってもらえたときは本当にうれしい」と話していた。

 畠山柚貴さん(3年)は「原材料や燃料が高騰している中、食品会社でも工夫して商品を製造していることを聞いた。自分の家は農家だが、いろいろな仕事がつながっていて影響し合っていると感じた」。介護士の仕事について聞いた宮崎翔太さん(同)は「単に食事やお風呂の世話をするだけではなく、相手の気持ちを考えることが介護には大切だと感じた。将来の仕事として農業も考えているが、視野が広がった」と話していた。

 各グループはそれぞれ2人ずつ話を聞いた後、ゲストティーチャーとの対話内容を代表者が発表した。活動中は各自タブレットを使って、コミュニケーションツールの「Teams(チームズ)」に資料をまとめ、振り返りを記入して感想を共有した。



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