2019年
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角掛全功さん現代の名工に 畳製作一筋 後進育成も 厚労省の卓越技能者 今年度県内からは1人

2019-11-09

現代の名工に選出された角掛全功さん。円形畳の力作は第36回伝統的工芸品月間国民会議全国大会にも出品した

 厚生労働省は8日、今年度の卓越した技能者(現代の名工)表彰の受賞者を発表し、本県からは盛岡市の畳工・角掛全功(まさかつ)さん(73)が選ばれた。表彰は技能者の地位・技能水準の向上や青少年が技能労働者として誇りと希望を持って精進する気運を高めることを目的に1967年度から実施している。本県の受賞者は72人目。表彰式は11日、東京都で行われる。

 畳製作1級技能士、ものづくりマイスターの角掛さんは半世紀以上、畳製作一筋に歩んできた。昔ながらの手縫い技術を継承。正確に仕立てられた円形畳が、その技術力の高さを物語る。丸い畳表にゆがむことなく紋縁(もんべり)を縫い付けるのは、そうたやすいことではない。角度を微調整し、文様が均一に並ぶのを見極めながら慎重に縫いつなぐ。「イメージ通り、良いものができると、やはりうれしい」と目を細めた。

 創業90年を超える盛岡市の角掛畳店の2代目。寡黙で温厚な職人だった先代の父親・政次郎さんの背を見て育った。定時制高校に通いながら家業を手伝い、卒業後は横浜や東京の畳屋で武者修行。20代半ばで実家に戻った後も、呼ばれれば他店で奉公し腕を磨いた。「良い先輩に恵まれた」と感謝する。

 現在は岩手中央職業訓練協会会長、岩手中央高等職業訓練校校長も兼任。若手職人の育成に力を注ぐ。畳製作技能士検定に向けた講師は仲間と一緒に20年以上務めた。

 「畳職人は他人様の家の奥まで上がる仕事。特にあいさつ、礼儀はしっかり指導した」という。「向上心を持ち続けることが大切。志のある若者に、ぜひ学びに来てもらいたい」と力を込める。

 長男の誠也さん(45)も畳職人の道を選び、2人で店を守る毎日。「ぶつかることもあるが、息子は息子で技術的にも認められ、よくやっている」と信頼する。盛岡の畳屋は全盛期の半数ほどに減ってしまったが「その分、仕事はある」。後進の成長を楽しみに、まだまだ奮闘する覚悟だ。



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