2024年
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「希望郷いわて」のその先へ 一般会計は総額7322億円 県の24年度当初予算案 人口減対策などに重点

2024-02-06

 県は5日、2024年度県一般会計当初予算案の概要を発表した。名称は「『希望郷いわて』その先へ予算」。総額は約7322億円で、東日本大震災津波発生後の編成では最小を更新。23年度当初予算と同様、▽人口の自然減・社会減対策▽GX(グリーン・トランスフォーメーション)の推進▽DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進▽安全・安心な地域づくり―を重点に予算を措置した。新機軸として、「市町村との連携の一層の強化」「農林水産物や観光資源など本県の強みや魅力の全国・海外への積極的な売り込み」「相談支援をはじめとする公的福祉の拠点整備」「いじめ・不登校対策の強化」などを打ち出した。他の特別会計、事業会計とともに、14日招集の県議会2月定例会に提案される。

  ■概要

 一般会計の総額は、23年度当初比で392億円(5・1%)の減。減額の内訳は、通常分351億円(4・8%)、震災分41億円(11・2%)。歳出でみると、通常分は新型コロナウイルス感染症対策事業費の減など、震災分は中小企業東日本大震災復興資金貸付金の減少などが減額の要因。

 財政目標4項目(財政調整基金の取り崩し80億円以内、プライマリーバランスの黒字維持、公共施設にかかる県民一人当たりの負担額1万2千円以下、財政調整基金の現行水準の維持)はいずれも達成または達成見込みを維持した。

 特にプライマリーバランス(県債の元金償還額から発行額を除いた額)は13年連続の黒字達成で、黒字額は402億円となる計画。黒字幅は前年度比16億円縮小する見通し。財政調整基金は、24年度当初予算で80億円を取り崩すこととしており、残高は230億円程度となる見通し。

 24年度当初予算後の県債残高は、1兆1600億円程度となる見込み。臨時財政対策債を除いた県債残高は7500億円程度で、ピーク時(2002年度)と比較し6割程度の水準となった。

  ■歳入

 通常分の歳入内訳は多い順に、地方交付税2204億円(構成比31・5%)、県税1265億円(同18・1%)、諸収入959億円(同13・7%)など。自主財源は3208億円(同45・8%)、依存財源は3789億円(同54・2%)。

 通常分のうち、県税は定額減税による個人県民税の減、海外情勢や物価高騰などの影響による法人2税の減などにより、前年度比27億円減。県債は、臨時財政対策債が減少した一方で、公共事業においてプラスシーリング(前年度予算額1・05倍)を設定したことで、21億円増の440億円となった。

 中期財政見通しなどを踏まえ、あらゆる歳入確保の取り組みを推進。デジタル田園都市国家構想交付金や有利な地方債など地方財政措置を最大限活用し、財政目標の下で財政健全化を推進する。歳入確保の一環として23年度に発行したグリーン・ブルーボンド(地球温暖化などの環境的課題解決、海洋資源・生態系保護等に資する取り組みに必要な資金を調達するために発行される債券)を今年も発行する。

  ■歳出

 性質別の歳出の金額と割合は、義務的経費2760億円(構成比37・7%)、投資的経費922億円(同12・6%)、その他経費3639億円(同49・7%)。義務的経費は退職手当の増などにより82億円増。投資的経費は災害復旧事業の減などにより9億円減。

 東日本大震災津波から復旧・復興に向け、第2期復興推進プランに基づいた被災者の心のケアやコミュニティの形成支援、震災の伝承や教訓の発信など、必要な事業に予算を措置。なりわいの再生に向け、海業推進モデル事業費(500万円)や水産加工業連携新活動促進事業費(800万円)などの事業を立ち上げたほか、安全の確保に向けた災害マネジメントサイクル推進や自主防災組織強化などの事業を拡充する。

 新機軸事業については、達増知事が23年の知事選で掲げた公約を基とした。

 小規模市町村への支援については、市町村が行う産後ケアや子どもの遊び場整備に要する経費を補助するとともに、モデル的に分野横断で少子化対策に取り組む町村を伴走的に支援する「市町村少子化対策支援事業費(8200万円)」を新たに立ち上げた。広域振興局が各地域の地域振興や地域課題解決に向け市町村取り組みを支援し、市町村の人口減少対策の取り組みを支援する「地域経営推進費」も4億7000万円に拡充した。

 通常分における四つの重点事項、▽人口の自然減・社会減対策▽GXの推進▽DXの推進▽安全・安心なまちづくり│には、840億円を措置。23年度予算の新型コロナ対応分を除いた金額と比較し、75億円増。

 自然減・社会減対策は前年度比4億円増。交流人口や関係人口の拡大に係る事業を追加した。主な事業は、有配偶率の向上に向けた「いわてで家族になろうよ未来応援事業費(1億1800万円)」、女性の社会減対策を目指す「いわて暮らし応援事業費(2億600万円)」など。

 GX推進は、林業に係る大規模施設整備事業の進行に伴い、事業費が約27億円減。

 DX推進は7億円増で、教育・福祉分野におけるICT機器の整備などを盛り込んだことが要因。

 安全・安心な地域づくりは、新型コロナウイルス感染症の5類移行により関連事業費が減額になったこと踏まえ、204億円の減となっている。

 【主要事業は8日付紙面に掲載します】



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