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水害想定し150人参加 住民主導で避難訓練 上 台風19号など機に初 紫波町古館地区 実践通じ課題洗い出し

2019-11-26

水害を想定した訓練で、中陣公民館を目指し歩く前郷自治会の住民

 紫波町古館地区の前郷自治会(古舘雅晴会長)と近隣自治会の住民約150人が参加した水害想定避難訓練がこのほど、行われた。各地に甚大な被害をもたらした今年の台風19号を筆頭に、毎年のように豪雨やそれに起因する水害が発生する中、住民自らの手と目で地域の現状を確認。課題を洗い出し、防災力強化を図った。(佐々木貴大)

 前郷自治会のある古館地区は、北上川の西側に位置する。地区内には、太田川、岩崎川といった河川や農業用の水路の合流点もある。

 町消防防災課によると、盛岡市の明治橋付近で2日間に264㍉の雨が降った場合、古館公民館や古館小周辺では0・5~3・0㍍の浸水が想定される。桜田も最大0・5㍍の浸水が予想されるという。

 今回の訓練は10日にあり、豪雨による北上川の増水で、地区東側から水が来たと想定。前郷、桜田の両自治会の住民が西側にある中陣公民館へ避難する経路などを確認した。

 前郷自治会の住民は午前9時半ころ、地区内の中島児童公園に集合。桜田自治会の住民と合流し、約1・5㌔先の中陣公民館へ向け出発した。

 前郷、桜田地区から中陣地区に向かうには、JR東北本線の線路を越える必要がある。平時であればアンダーパスを使用するのが一般的だが、今回はアンダーパスが浸水したこととして、JR古館駅北側のこ線橋を通過した。住民からは「この道は初めて通る」といった声があったほか、こ線橋の老朽化が進んでいることから「大雨の時この階段は壊れないだろうか」という不安の声もあった。


中陣公民館で防災マップを確認する訓練参加者


 出発から10分ほどをかけ、全員が中陣公民館に到着。中陣自治会の会員による炊き出しが振る舞われ、参加者は疲れた体を休ませていた。中には、公民館に掲示されているハザードマップを眺める人もいた。

 中陣公民館では、前郷自治会の住民で、全国防災協会の災害復旧技術専門家でもある及川和男さんによる講話も行われた。及川さんは古館地区の地形を示し、注意すべき災害について解説。「早めの避難が命を守るために何より重要」と呼び掛けた。

 前郷自治会から参加の上山佳寿美さん(33)は、「普段通らない道を確認できた。公民館の周りを見ると街灯も少なく、夜に避難できるかは不安。子どもが2人いるし、猫も飼ってあるので、どうやって一緒に避難するか、一度しっかり考えたい」と語った。

 川村春輝君(10)も「避難する道を覚えることができた。今回はみんなと一緒だったから歩けたけど、例えば家に1人でいるようなときだったら避難できるか分からない。一度家族で話して、災害に備えたい。もし災害が起きた時は、声かけなど、小学生でもできることに取り組みたい」と話した。



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