2020年
1月18日(土)

おかげさまで創刊50周年

全文を読む

全国高校文芸コンクール 「志髙文芸」が最優秀賞 盛岡四高文芸部 20人の力結集し栄冠 企画、構成に挑戦と工夫

2019-12-07

「志髙文芸 五十三号」で最優秀賞を受賞した盛岡四高文芸部

 第34回全国高校文芸コンクール(全国高校文化連盟など主催)の審査結果が発表された。県勢は文芸部誌部門で盛岡四文芸部の「志髙文芸 五十三号」が最優秀賞(文部科学大臣賞)に輝いた。同部が同部門の最優秀賞を受けるのは2年連続14回目。詩部門では角掛杏美さん(盛岡四3年)の「星河一天」が優秀賞、全国2位相当の全国文芸専門部会長賞を受賞した。

 同コンクールには小説、文芸評論、随筆(エッセー)、詩、短歌、俳句、文芸部誌の7部門に、各都道府県で選抜された計7187作品の応募があった。表彰式は14日、東京都内で行われる。

 その他の入賞者、入選者は次の通り。(盛岡地域のみ、敬称略、数字は学年)
 【小説】優秀賞・菅原諒大(盛岡四3)石澤遥(同2)國﨑萌子(盛岡三3)▽優良賞・帷子結海(盛岡三3)細川奎太(盛岡四2)
 【詩】優秀賞・及川亜美(盛岡三3)工藤瑚々(盛岡四3)▽優良賞・菅原諒大(同)佐々木綾香(同)
 【俳句】優良賞・細川奎太(同2)村井真斗(盛岡一3)▽入選・鈴木陽(盛岡三3)
 【文芸部誌】優良賞・盛岡三

 盛岡四の文芸部誌「志髙文芸 五十三号」は、全国コンクールに先立って行われた県コンクールでも最優秀賞を受賞。文芸部員20人が作品執筆や合評による添削、編集作業を行い、2年連続となる県と全国の二冠を成し遂げた。部長を務めた千葉海斗君(3年)は「喜びよりも安堵(あんど)感。昨年と比べられるプレッシャーがあった」と受け止める。

 同誌は400㌻超の大ボリューム。ページ数が多い分、最後まで読んでもらえるよう構成を工夫したという。編集長の佐々木綾香さん(同)は、オムニバス小説の特集「小さな勇気と雪まつり」の充実が厚さにつながったと分析。同特集では、いわて雪まつりの会場を訪れるさまざまな登場人物の視点で、5人の部員が小説を執筆。阿部泰斗君(2年)は「同じ時間で起きている出来事のすり合わせに苦労した。その話し合いが閉鎖的になってしまい、他の人が読んだときにうまく伝わらないこともあった」と振り返る。

 紀行文の企画「旅する志髙文芸」は、昨年から今年にかけ部員が日本各地を旅する機会に恵まれたことから生まれた。大船渡市、福島県、東京都、京都府など、部員たちが経験をつづった旅の記録が読み手にその土地の空気を届ける。学校の交流事業で沖縄県の石垣島を訪ねた角掛杏美さん(3年)は「普段よりも五感を意識して旅をした。森の中でも、沖縄では潮の香りが混ざっているのが印象的。マングローブやカラフルな魚など、岩手と違う点に注目して書いた」と話す。

 昨冬、現在の2年部員は県立博物館を訪問。詩の企画「詩の博物館」には、展示物から着想を得た詩を収録した。久慈綾香さん(2年)の作品「追憶の展示室」は県コンクールの詩部門で最優秀賞を受けた。展示されていたオオカミの皮を見て執筆した久慈さんは「展示物から想像を膨らませて一つの詩にするのは難しかった」と振り返る。

 表現の喜びと伝える工夫が結実し、評価を受けた。佐々木さんは「さまざまな企画に挑戦し、上級生として指示する立場にもなり、先輩たちの大変さが身に染みて分かった。経験としても成績の面でもいい機会になった」と話す。工藤瑚々さん(3年)は「昨年、いいところを伸ばしてまた最優秀賞を取りたいと話していて、それが有言実行できてすごくうれしい」と笑顔。

 菅原諒大君(同)は作品の添削作業を思い起こし「最初の作品の時点でみんなレベルが上がっていて、一年生も僕が一年のときよりいい作品を書いていた。それが最優秀賞という形になったのはうれしい」と充実の表情。今年文芸部に転部して活動してきた櫻小路愛佳さん(同)は「みんなで作品を添削することで、物語を作ることの難しさが分かった。いい経験になった」と話す。
 千葉君は「全体をまとめる上で、先輩の偉大さを感じた。後輩たちはプレッシャーも大きいと思うが、それにとらわれないで自分の作りたいものを作ってほしい」と期待する。
 初の部誌制作を経験した丸山咲弥さん(1年)は「先輩たちは特集や企画をしている中で指導もしてくれた。来年は私たちも先輩になるので、先輩のサポートをしつつ後輩の面倒も見られるようにしたい」と意気込む。

 現部長の兼平怜奈さん(2年)は「プレッシャーもあるし、年々なぜかページが増え続けている。そこまでページ数を増やさずに内容を充実させることが必要と思う」と、次号に向けて現実的な課題を見据えた。
   (相原礼以奈)



前の画面に戻る

過去のトピックス