2020年
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石川啄木記念館開館50周年 「先生をふるさとに」教え子らの熱意

2020-01-01

全国の啄木愛好家の支援を受けて開館し、50周年を迎える石川啄木記念館

 盛岡市出身の詩人石川啄木を顕彰する石川啄木記念館(森義真館長、盛岡市渋民)は今年4月に開館50周年を迎える。全国の啄木愛好者の支援を受け、1970(昭和45)年4月13日の啄木命日に開館。「啄木先生をふるさとに」という啄木の教え子たちの熱意が大きな運動になり、当時全国でも珍しかった文学者個人の記念館としてオープン。戦後の啄木受容史に新しい時代を切り拓(ひら)いた。19年2月には啄木生誕・終焉(しゅうえん)の地の縁で、盛岡市と東京都文京区が友好都市提携を結び、玉山地区に新設予定の「道の駅」との連携・施設リニューアルも今後予定されており、より親しまれる施設として期待も高まりそうだ。

 現在の石川啄木記念館は、1986年に「石川啄木百年記念館」として建設された2代目の記念館。啄木がかつて、理想の「家」を詩に託した白い洋風の家をイメージした外観で、館内では啄木文学の原点から終焉(しゅうえん)までの啄木の人生を直筆原稿、ノート、日誌の他、遺品、写真パネルなどで紹介している。

 敷地内には啄木が代用教員を務めた旧渋民尋常小学校や一家が間借りした旧斉藤家が移築、公開されている。

 所蔵資料(19年12月現在)は図書1万2500点、資料1400点。

 現在、展示室では1月19日まで第12回企画展「啄木と文の京(ふみのみやこ)」を開催中。50周年となる20年度は9月29日から21年1月17日に50年の歩みを振り返る企画展を開催予定。20年春には、伊井圭原作のミステリー小説「啄木鳥探偵處(きつつきたんていどころ)」(創元推理文庫刊)のテレビアニメ(制作・東北新社/ライデンフィルム、製作・「啄木鳥探偵處」製作委員会)の放送がスタートする予定で、話題になりそうだ。

 50年の間には、2013年11月末、43年間にわたり210万人余りの来館者を迎えてきた財団法人石川啄木記念館が解散。同記念館を盛岡市に移譲してからは、市文化振興事業団が管理運営し、これまでに12回の企画展を開催。「啄木祭」などの共催事業を引き継いで開催している他、「啄木ゆかりの地めぐりバスツアー」などの独自の催しも実施。郷土の先人である啄木を理解し、身近に感じてもらう機会を積極的に設けている。この5年の来館者数は年間1万人ほどで推移している。

 石川啄木記念館は、1955年に創立した玉山村観光協会の事業計画の中に石川啄木記念館建設事業が入ったのが始まり。

 啄木の薫陶を受けた秋浜三郎(同記念館建設運動推進発起人会会長、のちに建設委員会委員長)ら教え子たちの熱意もあり、建設資金調達の募金活動が村内から全国の啄木愛好者に向けて展開された。

 啄木研究家の吉田孤羊らの指導を受けながら69年2月に石川啄木記念館建設委員会を結成。啄木の遺墨、遺品、関係資料等を収集、保管、展示するための財団法人石川啄木記念館の設立を経て、70年4月13日に落成開館記念式典が行われた。

 啄木生誕100年を記念して計画された新記念館(現記念館)は、資料の充実に伴い建物が手狭になってきたことや啄木文学の顕彰施設として評価が高まっていった同館への入館者増に応えるため、全国の啄木愛好者から支援を得て建設。展示室の構成や解説には、地元の啄木研究者らが力を尽くした。

 開館した86年度は年間入館者が10万人を超え、同年12月には来館者100万人を達成している。



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