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職場環境はデザインから 盛岡市のジュークアンリミテッド 「オープンファクトリー」推進 企業のPRと採用高める

2020-01-03

デザイン戦略の建物作りを広げる加藤社長

 盛岡市茶畑のデザイン業、ジュークアンリミテッド(加藤瑞紀社長、資本金2200万円)は、企業のブランディング(周知)力と採用力を高める工場を提案する「オープンファクトリー」事業を進めている。2018年5月に設立したばかりの会社。企業の特徴を表し、働き手の快適性やモチベーションを高めるデザインの提案から、工場の人材定着や業績拡大を促す。全国の建設会社と提携し、「デザインから職場環境を整える工場」を県内外に建てる。

 生産現場だけに注力する工場は人が定着しない-「企業を作るのは人。その定着には居心地の良い環境が必要」という考えの下、オープンファクトリー事業では、生産エリアと同じぐらい事務作業や休憩で使うオフィスや食堂、トイレ、更衣室などの機能性を重視する。若手や女性、外国人など、その企業が求める人材は誰なのかを明確にし、ターゲットが快適に意欲を持って働ける空間作りと、企業理念や特徴など〝その会社らしさ〟が見えるデザインにこだわっている。

 「企業カラーを取り入れることでそのカラーに合った人材が集まり定着する。その人材が活躍すればさらに人が増え、業績が上がる好循環が生まれる」というデザイン戦略だ。


同社で手掛け、2月下旬に完成予定の小田島組(北上市)の社屋デザイン図

 建物に限らずユニフォームや社用車、直売店などもデザインし、製造業の3K(汚い、きつい、危険)の印象を、3C(きれい、かっこいい、快適)に変えるイメージ転換を図る。「組織で重要なのは人間関係」とし、従業員同士のコミュニケーションを円滑にする空間にもこだわる。

 施工実績の高い全国の建設会社9社とネットワークを組み、この従業員目線の工場を拡大中。中小の製造企業を中心に提案し、前期(2019年)の売上高は1億2千万円。今期は6工場、6オフィスのプロジェクトに着手し、売上高は2億4千万円を見込む。

 加藤社長(38)は盛岡市生まれ。盛岡一高、京都工芸繊維大学繊維学部デザイン経営工学科空間デザインコースを卒業後、東京のデザイン会社を経て、2005年に同市本宮の総合建設業高弥建設(現・タカヤ)に入社した経歴を持つ。

 タカヤで広告企画や人材採用など幅広い業務を担当する中、東日本大震災で被災した工場の再建事業で、従業員の快適性を軸に工場やオフィスを作る「ファクトリア」事業の一員となり、女性目線のソフト面を重視した工場設計を推進。この取り組みが17年にグッドデザイン賞を獲得したことなどから、岩手に限らず全国にこの事業を広げ、デザインを起点に業績や採用力を高める手法を浸透させようと、タカヤ元社長の望月郁夫氏とジューク社を立ち上げた。


ジューク社らしさを取り入れリノベーションした自社ミーティング室

 「職場環境はデザイン次第」と力説する加藤社長。「オープンファクトリーは将来、海外にも広げる計画。受注数が増えたら顧客の製造企業同士をつなげ、新事業の創出を促す役割も担いたい」と展望した。

 社名のジューク「19」は、社内報や採用、ダイバーシティ(多様性)など「19のデザイン戦略で会社の軸を作る」という経営姿勢と、「子どもと大人の境目の時のわくわく感」「どこにでもフットワーク軽く行く」などの意味を込めている。

 アンリミテッドは「しがらみや限界を持たずに成長」。この枠に囚われない柔軟な発想を強みとする自社をPRする目的で、12月には台湾の工場見学ツアーを実施。中国人の社員がアテンドし、全国各地の製造会社などと〝観光工場〟と呼ばれる現地の工場の仕掛けを学んだ。



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