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岩手の工芸に北欧デザイン 「iwatemo(イワテモ)」県内初展示会 モノラボン 工藤昌代社長 「優れた地場製品を世界に」

2020-01-17

入賞した鉄器ケトルを手に、展示会を心待ちにする工藤社長

 北欧フィンランドのデザイナーが手掛ける岩手の工芸品を企画・販売する盛岡市本宮のモノラボン(工藤昌代社長、資本金740万円)が17日から、自社ブランド「iwatemo(イワテモ)」の展示会を県内で初めて開く。デザインコンテストで入賞した鉄器のケトル(国内価格3万8400円)をはじめ、昨年発売した鉄器、磁器、木工の全24アイテムを盛岡市材木町のギャラリー純木家具で31日まで披露。もりおか起業ファンドの出資などを追い風に、今後さらに国内外への販売を広げる。

 イワテモは、世界的に有名な北欧フィンランドのデザイナー2人が設計し、県内で製造する工芸品のブランド。2018年1月に工藤社長を筆頭に、デザイナーや通訳翻訳者ら11者で設立したモノラボンで企画販売している。家庭でずっと使い続けられるデザインと性能を目指し、「ホーム」をコンセプトに木製家具や鉄器の他、陶來(滝沢市)の磁器の24アイテムを販売している。

 製造者は三協金属(一関市)、岩泉純木家具(岩泉町)、陶來の3者で、デザインは、世界的大企業の製品デザインを複数手掛けるハッリ・コスキネン氏と、アアルト大美術デザイン建築学部教授ヴィッレ・コッコネン氏が務めている。


iwatemoブランドの商品たち


 昨年5月から首都圏を中心に、北欧の家具メーカー直営店や商業施設などで販売を始め、北欧商品の専門通販サイトに載せるために、6月からはフィンランドへの輸出も開始。国内外で支持され、この約半年の総売上高は800万円に上った。

 12月には、盛岡市や盛岡信用金庫などの出資による「もりおか起業ファンド」からの投資500万円を得て生産を加速。今年1月には鉄器のケトルが、日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)主催のコンテスト「JIDAデザインミュージアムセレクション」で全国の推薦品163点中、優秀賞にあたるセレクション賞49点に選ばれた。

 今後はスイス、米国、英国などにも輸出を広げ、国内での販売数も増やす。2024年の目標売上高は5千万円で、うち3割を輸出が占める計画だ。

 昨年には単独展示会をストックホルム(2月)や東京(5月)、ヘルシンキ(9月)で開催。300人が訪れる会場もあった。この盛況ぶりを拠点である岩手にも伝え、地元の人にイワテモを知ってもらうために、17日から材木町の岩泉家具直営店で展示会を開く。

 工藤社長(53)は「冬期の厳しい寒さが共通しているためか、北欧と岩手の人は気質が似ている。それに加えて地方の工芸品を広めたいという思いが一致し、世界的に人気の北欧デザインと、岩手の伝統工芸の融合が実現した。これで岩手の優れた工芸品を世界に発信できる」と展望。「イワテモに参加する県内の工芸家を増やして新商品をもっと生み出したい」と望んだ。

 工藤社長は、ホームページ・広告製作会社ホッブス(同市本宮)の経営者。東日本大震災の復興を支援したいというフィンランド人をサポートしたのをきっかけに、北欧デザインに興味を持った。14年にフィンランドの首都ヘルシンキに渡り、日本企業の誘致に積極的な団体や企業、大使館などと交流し、そのつながりから15年9月に八幡平市の日本酒製造わしの尾と安比塗漆器工房と、フィンランドの日本大使館で和食と漆器で楽しむ催しを開催。その後も、県工業技術センターの支援などを活用して市場調査を進め、現地のデザイナーとの結び付きを深めた。その中で、岩手の丁寧なものづくりに信頼を寄せるハッリ氏とヴィッレ氏らと出会い、モノラボンを立ち上げた。

 展示会は31日まで。午前10時から午後6時半(最終日同4時半)まで。一部販売もある。



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