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医療圏の機能分担好機 医大移転で患者数増も 他機関と連携し対応 県立中央病院

2020-01-21

医大移転に伴う対応などが説明された運営協議会

 県立中央病院(盛岡市上田1、宮田剛院長)は、岩手医科大附属病院の2019年9月の矢巾町移転前後の患者数や年末年始の救急件数などが前年度より増えた。これに対して盛岡広域の他の医療機関や県立病院が連携して支援し、大きな混乱はなかったとしている。患者の増加は、医大移転前からあった社会的背景や中央病院の構造的課題が浮き彫りになった格好で、今後の二次医療圏体制の維持・強化へ好機とも受け止められている。患者の理解も含めた、機能・役割分担が期待される。

 20日に中央病院で開かれた、盛岡地区県立病院運営協議会(会長・谷藤裕明盛岡市長、25人)で、宮田院長らが報告した。

 それによると、救急では年末年始9日間(12月28日―今月5日)で、1日当たり救急患者数が103・3人と、18年度の85・7人より約2割増えた。同様に▽救急車搬入件数22・7件(18年度22・5件)▽平均入院数20人(同16人)▽小児輪番日の平均患児数34・7人(同17・5人)―だった。

 ただ、患者数増を想定し、人員配置や一般外来分を救急に回すなどして対応。盛岡地区広域消防組合によると、受け入れ可能な他の医療機関を先に当たったため、中央病院は患者数こそ増えたものの、受け入れ率は低下。盛岡市立病院がその分吸収した。

 医大移転前後の19年8~11月に、入院・外来の延べ患者数、新規の入院数、他医療機関からの紹介による新規の患者数が増えた。移転後2週間に関しては、他の県立病院から看護師や技師ら31人が応援派遣され、対応に当たった。

 今後も季節による感染症などの多発で診療科によっては患者数が許容を超えるケースがあり得る。これまで消化器内科で事例があった他、冬に多い心不全関係で循環器関係が影響を受ける可能性も想定されるという。
 中央病院は現在685床。医師数は181人で、内訳は正規120人、後期研修医26人、初期研修医34人、臨時1人。看護師は640人で、うち正規が553人。

 一方、救急医療の患者数は18年度、2万1091人で前年度と比べ、ほぼ横ばいだった。これに対して救急車搬入件数は7423台で前年度を356台上回った。

 患者が多すぎることを理由に、55人の救急搬送は受け入れられず、受け入れを断った事例は前年度に比べ2・5倍に膨らんだ。一方で救急に関しては収容能力拡大へ病棟の改修が行われる。

 全国でベッド数が同規模の自治体病院と比べると、100床当たりの看護師数が極端に少ない一方、救急受診患者数や救急車の受け入れ件数が多い。医大移転前から顕著になっている。

 宮田院長は取材に「移転の影響があったと言わざるを得ないが(複合的疾患を持つ高齢者増加や医療の高度専門分化など)社会の流れ。今回それが目立ち、いずれ流れとして起き得ることが露呈した。今回のことで医療機関間で風通しが良くなり、協力関係ができ、互いに役割分担できるようになった」と好機と捉えていた。

 同時に「(病院ごとに)よりよい機能分担があり患者自身がもっと自分の体に興味を持ち、健康状態について主治医と相談して」と、県民に呼び掛ける。



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