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点字ブロックは黄色に 県視覚障害者福祉協会 弱視者のため県指針へ要望

2020-01-23

誘導ブロックが黒色の盛岡市菜園地内の歩道

 県視覚障害者福祉協会(及川清隆理事長)は、歩道の誘導(点字)ブロックの色について頭を悩ませている。県のユニバーサルデザインに関する指針では「黄色を基本」としているが、景観や周囲との調和を理由に、盛岡市中心部を含めて黒やグレーのブロックが少なくない。特に弱視者にとって黄色のブロックは社会とつながる「命綱」だという。転倒などを恐れ、外出の自粛にもつながりかねない。行政の対応はじめ、県民の理解も求められている。(大崎真士)

 ■命と同じ

 及川理事長(67)によると、視覚障害者はすぐ全盲と捉えられがちだが、ほぼ9割が色の識別や視野に障害のある「弱視(ロービジョン)」。点字ブロックが黄色であれば、他と識別して歩行できる弱視者も多く「点字ブロックは命と同じ」と強調する。

 県県土整備部が2004年3月にまとめた「まちづくりユニバーサルデザインガイドライン」は「誘導ブロックは黄色を基本」と明記。黄色以外にする場合は▽危険を伴わない▽輝度比2以上▽周囲の色と色彩明度の差を大きくする―と条件が付けられている。

 県内では他県に比べると、黄色の点字ブロックが浸透しているものの、まだブロックが敷設されていなかったり、黄色以外の黒や灰色、茶色いブロックになっている場所もある。県保健福祉部によると、道路管理者の話として、周辺住民の意見を踏まえて整備した結果、グレーの点字ブロックが設置された事例もあるという。

 ■「見えない人」に

 「弱視者は色を頼りに歩いている。見えにくい人が頼りにして社会参画している」。及川理事長は21日に盛岡市内で開かれた、県ひとにやさしいまちづくり推進協議会の席上、訴えた。

 県は次期ひとにやさしいまちづくり推進指針(2020~24年度)の年度内成案化へ、同日最終案を提示。及川理事長は、社会に発信するためにも、点字ブロックを黄色にする意義を指針に盛り込むよう求めた。全盲の「見えない人」と弱視者の「見えにくい人」の存在も記載するよう主張している。野原勝保健福祉部長は「全くその通りだと意を強くした」と応じる姿勢を示した。

 最終案には関連した直接の記述こそないが、推進の基本的視点の中で「さりげないデザインへの配慮」が盛り込まれている。表示を大きくしたり、明瞭な着色にするなど、必要とする人が分かりやすい配慮の必要性に触れている。県は今後庁内調整などを経て、県議会2月定例会へ議案を提出する予定。

 ■中心部も黄色以外

 盛岡市建設部道路管理課によると、菜園地内の市道は景観に配慮して黄色以外が敷設された箇所がある。盛岡城跡公園から川徳に至る市道の点字ブロックなどがその例で、「輝度比2以上」に配慮されてはいる。要望を受け、今後の整備箇所は黄色を採用する方針。ただ、既に整備済みの箇所については「すぐに取り替えるのは難しい」と説明する。

 大通は交差点に一部敷設される以外、歩道に点字ブロックがない。市などによると、映画館通りも点字ブロックが黄色以外だ。

 盛岡大通商店街協同組合の中村正樹事務局長は「点字ブロックに関する要望は組合に届いていない。声があるならユニバーサルデザインの趣旨に沿ってまちづくりに生かす視点や対応は必要だが、すぐに対応できるかどうか」と話していた。

 及川理事長は、仮に景観を損ねるとの理由から点字ブロック設置予定の場所で黄色以外が使われる動きがあれば、「私はいつでも説明に行く」と、粘り強く黄色の点字ブロック浸透を図っていく考え。



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