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玉山の文学、歴史の拠点へ 啄木記念館と民俗資料館を複合化 盛岡市教委 新築断念し改修増築で 24年度開館目指す

2020-02-25

 大規模改修と増築で玉山歴史民俗資料館との複合化が図られる石川啄木記念館 

 盛岡市教育委員会は、老朽化した石川啄木記念館と玉山歴史民俗資料館を複合化する整備基本計画案について、これまでの新築ではなく、現記念館の大規模改修と増築で整備する方針を固めた。市公共施設保有最適化・長寿命化中期計画(アセット計画)では、新たに公共施設の整備をしない方針から大規模改修、増築での対応とした。これにより延べ床面積は1千平方㍍と従来方針から半減する。2020年度に基本計画策定、21年度に基本設計、22年度に実施設計、23年度に建設工事を行い、24年度の開館を目指す。計画案の市民説明会が24日、渋民公民館で開かれ、市教委が説明した。

 市教委が15年度に示した建設方針では、記念館の駐車場エリアに延べ床面積約2千平方㍍の複合施設を新築予定だった。アセット計画に加え、当時約8億円としていた事業費が、新たな試算で十数億円に膨らむことが分かったため新設を断念した。

 新しい計画案では、現記念館を大規模改修するとともに、北側の中庭に約440㍍の建物を増築する。概算事業費は約8億円で、合併特例債の活用を図る。現資料館と、現記念館東側の旧記念館は解体・撤去する。

 複合施設の機能は▽記念館、資料館、企画展示室の展示エリア(約500平方㍍)▽トイレや休憩コーナー、ミュージアムショップ、受付などの案内・サービスエリア(約125平方㍍)▽収蔵庫や事務室、学芸員室、ボランティア室、資料倉庫・作業準備室などの学芸部門エリア(275平方㍍)▽警備室や機械室の管理運営エリア(約100平方㍍)―の四つのエリアで構成。大規模改修部分、増築部分に、どの機能を配置するかなどは、基本設計時に検討する。

 運営組織の基本方針では、施設の活動の根幹をなす館長、学芸員に加え、文学体験や玉山地域での歴史体験、地域学習へと誘う職員の適切な配置、啄木を中心とした近代文学、玉山地域の歴史民俗の2分野への適切な学芸員の配置を掲げる。現在、記念館の職員体制は館長と学芸員2人、職員2人の5人体制。複合施設での職員体制は、館長の他、総務管理部門2人、石川啄木部門2人、教育普及部門1人、歴史民俗部門1人の7人程度の配置を予定する。

 記念館は、1970年4月に開館し、86年に新館を建設。現在使用する新館は延べ床面積564平方㍍で、図書の閲覧や収蔵に使う十分なスペースを有しているとは言えず、独立した企画展示室もない。一方、資料館は、77年3月に建設され、地区民が収集した土器や民具などの郷土資料を収蔵。延べ床面積は132・5平方㍍で、老朽化と狭隘(きょうあい)化のため現在は限定的な公開で十分な学習機会の提供ができない状況にある。

 こうした現状を踏まえ、説明会の参加者からは、当初の方針から面積が半減し、収蔵や展示のスペースが十分確保できるのか懸念する意見が出された。他に高齢者などへ対応したユニバーサルデザインの要望、近隣へ建設を予定する道の駅との連携、保管状態の関係から記念館と資料館の資料を分けて収蔵する必要性などを指摘する声もあった。

 同記念館の森義真館長は「いろいろ不満もあるが、市の施設でもあり、これくらいの規模しか造れないというのであれば仕方がない。その中で、収蔵庫の空調やガスによる消火などの部分、企画展示室の確保など、思っていることを生かしてもらえるよう意見を言っていきたい」とした。



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