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復興推進 新局面へ 21年度以降の方針を検討 コミュニティー形成支援など課題 盛岡市

2020-02-26

 盛岡市の南青山町で開かれた、住民向け説明会(2019年11月)

 盛岡市の東日本大震災にかかわる復興推進の取り組みは、当初の方針(再生期編)を2年延長し実施期間を2020年度末までとしている。12月には県内最後の大規模災害公営住宅が同市南青山町に完成する予定で、内陸避難者の支援活動も新しい局面を迎える。21年度以降、市としてどのように被災者や被災地と向き合い、県都の役割を果たしていくべきか。改めて検討しなければならない時期を迎えている。(馬場恵)

 ■支援機能の在り方

 市の復興推進施策について専門家の意見を聞く会議(復興推進アドバイザリーボード)が20日、盛岡市役所で開かれた。座長の広田純一岩手大農学部教授ら5人の専門家が出席。被災者支援団体SAVE IWATEに運営を委託している、もりおか復興支援センターの今後の在り方や、県営南青山災害公営住宅のコミュニティー形成支援などについて助言した。

 盛岡市南青山町に整備中の県営南青山災害公営住宅(ペット飼育可能41戸1棟を含む2棟99戸)は12月に完成し、来年2月ごろからの入居を見込む。 

 同災害公営住宅の完成に伴い、盛岡で暮らす内陸避難者のうち約4割が市域の西エリアに居住することになる。このため、市は同住宅内の支援拠点スペースに、もりおか復興支援センターの一部人員と機能を移して、入居者の相談業務や地元地域とのコミュニティー形成などを支援する方針。交通利便性が高い内丸のセンターも継続し、市内に点在する内陸避難者の支援活動を続ける予定だ。

 ■実践どう引き継ぐ

 ただ、市の復興推進の取り組み方針の実施期間は20年度末までで、21年度以降の復興施策の方向性は、20年度中に改めて検討していく必要がある。復興支援センターや復興支援学生寮などがある、もりおか復興推進しぇあハート村の取り扱いも重要な課題となる。

 委員からは「復興枠でやっていた事業を一般施策に引き継いでいかなければならないが、コミュニティー支援は、福祉分野でもうまくいってる施策とは言えない。積み重ねてきたノウハウを将来的に生かしていく工夫が求められる」「被災地に近く被害がなかった自治体がどんな支援活動に取り組んだのか。今後発生が予想される南海トラフ沖地震を考えても盛岡の取り組みは貴重な実践例。全国に発信していくべき」といった意見が出た。

 大規模災害公営住宅を巡っては、入居者はもちろん、受け入れる地域を含めたコミュニティー形成の重要性が指摘されている。もりおか復興支援センターは、県の協力を得て南青山災害公営住宅の入居者を対象にした説明会や、地元の南青山町内会の住民らを対象にした意見交換会などを重ねており、さらに取り組みを推進する。

 ■方向性約1年協議

 一方、盛岡市本宮のもりおか復興推進しぇあハート村では12年度から、盛岡の大学や専門学校に進学した沿岸被災地の学生に無料でシェアハウスを提供している。入居者は14年度の23人をピークに減少傾向にあり、今年度は9人が利用。新年度は新規入居者1人を含む10人が暮らす予定だ。

 引き続き支援員を配置し入居学生を支えるが、21年度以降、事業をどこまで継続するかは慎重に判断しなければならないという。事業を終了する場合は地域を含め十分な説明期間を設けるとしている。

 市の新年度の復興推進予算は、もりおか復興支援センターの運営など内陸避難者支援が14事業、沿岸被災地後方支援が5事業、経済のけん引が2事業、東北絆まつりの開催など情報・元気の発信が12事業、その他2事業で計画額は1億6117万円。うち5813万円は国の被災者支援総合交付金を充てている。

 国は20年度までだった復興庁の設置期限を10年延長し30年度までとしたが、岩手、宮城など地震・津波被災地域の復興の取り組みは復興・創生期間後5年間で着実に実施するよう求めている。震災関連の交付金も大幅に見直すとみられる。

 市は 年1回開催としてきたアドバイザリーボードを新年度は2回開催し、約1年かけて復興推進の方向性を協議していく。



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