2020年
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統合後の活用策で 閉校校舎がスタジオに 雫石町の旧上長山小 滝沢ハートクラブが子ども撮影会

2020-03-02

閉校した上長山小の校舎を使った撮影会

 雫石町内には2017年度、18年度の学校統合で学校施設として活用されなくなった校舎が五つある。18年3月末の統合で閉校した同町長山早坂の町立上長山小もその一つ。閉校校舎の活用策として1日、校舎内での写真撮影会が行われた。企画したのは、滝沢市篠木の出張こども写真「ハートグラフ」(佐々木文徳代表)で、入学や卒業など人生の節目を迎える子ども、家族の写真を、実際の校舎で撮影した。地域の拠点の一つだった校舎を活用する新たな試みは、今後の地域活性化につながることが期待される。

 上長山小は、閉校後も体育館やグラウンドは地域のスポーツ活動の場として活用されているのに対して、校舎自体はほとんど活用されていない状態だった。町では、賃貸借契約書を交わし、担当課の協議が整えば、民間事業者へも閉校した学校校舎の貸し出しが可能だが、情報が少なく、活用にはつながっていなかった。

 佐々木代表は、入学や入園の撮影をしようとしたときに、関東などは桜が咲いたり、ロケーションがいい場所があるが、東北はこの時期まだ寒く、スタジオ外での撮影場所を探していた。雫石の閉校した校舎があることを知り、同町地域おこし協力隊の古山裕二さん(47)、集落支援員として西山地区で活動する下黒沢ひかりさん(25)の協力で、何校か見て回る中、上長山小での撮影を決めた。

 「幼稚園の時は親が写真を撮影できるイベントもあったが、小学生になると学校での日常生活を撮影する機会は少ない。学校での子どもの姿を撮りたいというところから、校舎で入学や卒業の記念写真を撮れないか探していた。ここは、あしたから授業があってもおかしくないくらいきれいな状態」と経緯を話した。

 1日の撮影会には、盛岡市や滝沢市、八戸市などから5組の家族が訪れた。今春、次男の敢太郎君(6)が小学校に入学する田村さん一家は、家族5人で校内での撮影に臨んだ。2年前まで実際に使用されていた校舎は、教室の机も当時のまま。教室のいすに座ったり、家族と廊下に立ったり、学校生活を一足先に撮影の中で体験した敢太郎君は「幼稚園よりも学校の方が好き。小学校に入ったら野球を頑張りたい」と間もなく始まる小学校生活を楽しみにしていた。

 母親の香織さん(38)は「学校内で撮る機会は、なかなかない。いつもは機嫌が悪かったりするが、きょうはいい笑顔で撮影できた。閉校した学校での撮影はいい企画。まだまだきれいで、もったいないので、こうやって活用されればと思った」と話した。弟と一緒に写真に収まった長男の琥太郎君(10)は「まだ学校が残っているんだと思った。僕の学校と違い、二つの学年のクラスが同じところにあるのを初めて見た」と自身の通う学校との違いに注目していた。

 地域おこし協力隊の古山さんは「これだけ設備が残っているので、可能性はたくさんあると思う。地域にとって、よりどころでもある学校の校舎をいろいろな形で活用できるようお手伝いできれば。地域住民や民間企業がアイデアを持ち寄り、自発的に校舎を活用することができれば地域も持続可能だと思う。そういう意味で、今回のイベントは先につながる第一歩が踏み出せたと思う」と話した。

 現在、新型コロナウイルス感染症が各地で広がる中、卒業式の規模縮小や中止などが相次ぐ。佐々木代表も幼稚園年長の次男の卒園式が規模縮小となり、家族の出席人数が制限される中で、出席がかなわないという。

 「家族ごとの節目という部分では、親御さんとしても長年通ったのに卒園式、卒業式を撮れないことは悲しい。そういうところでは、私たちができるサポートとして、こういう形で撮影する機会も設けていきたい」と、今回の企画をきっかけに、卒園式や卒業式の記念撮影に代わる撮影機会を設けることも視野に入れる。



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