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医療的ケア児、発達障害児守る 岩手医科大に専門講座開設 県が協定資金寄付 医師確保や受診待ち解消

2020-04-05

 障がい児者医学講座開設に伴う協定締結式に出席した(左から)岩手医大の祖父江学長と小川理事長、達増知事(3月31日)

 県は、岩手医科大(祖父江憲治学長)と協定を結び、医療的ケア児・者、発達障害児に対応した医療の充実などを一体的に図る。2020年度事業へ予算化した3300万円を医大へ寄付し、「障がい児者医学講座」を開設。採用された特命教授ら教員3人が主に平日に医大附属病院と隣接する県立療育センターで医療応援する。医師確保を目指しながら、増加する発達障害児が現状だと最長1年受診待ちしているため、連携を通じて期間短縮にも取り組む。

 講座の設置期間は20~22年度までの3年間。県は期間延長を念頭に置く。設置期間終了後は療育センターに教員の採用を想定し、医師確保を図る。教員の内訳は特命教授1人と助教2人。

 「寄付講座」と呼ばれる方法で、今回のように県はじめ行政や民間企業が資金を寄付。これを活用して大学が教育・研究振興、教員・学生の研究教育に取り組む。熊本県や愛知県、岐阜県で同様に開設されている。

 県などによると、療育センターは全60床に対して、現在常勤医師が小児科、整形外科、児童精神科合わせて5人。他に眼科や耳鼻科の非常勤医師らがいる。医師1人当たり数十人の患者に対応する必要があり、受診できるまで相当期間待つ患者も。

 外来には発達障害児が多く、入院には機器類を取り付けるなど重症度の高い医療的ケア児がいる。全国的に医療的ケア児は減少しているが、医療技術の進歩で救命率が上がり、成人期に達している人が多い。合併症や治療に伴う副作用と闘っており、家族の負担も大きいのが実態だ。

 講座を担当する医大医学部小児科学講座の小山耕太郎主任教授は発達障害児への対応について、それぞれの症状の程度が把握できない中、一極集中した状況だと説明する。

 「今は共有する仕組みがない。それぞれ抱える悩みについて連携して、家族に道筋を示したい。全員が治療の必要なレベルではない」と指摘。医師確保に時間がかかるとしても、症状に応じて担当する医療福祉機関や専門家を整理できれば、受診待ち期間の見通しを家族に示すことができると考えている。

 「1年かかりそうな時間をいかに短縮できるか、目標として提示しないといけない。3年の期間で年度ごとにどこまで短縮できるか示したい」と説く。

 県の野原勝保健福祉部長は「発達障害の子どもが増え、医療的ケアが必要な人もどんどん増えている。子どもたちの支援、家族の負担が大きいので支援が必要。行政も大学も思いは同じで、附属病院が移転して同じ敷地内に療育センターがあることを生かし、家族の期待に応えたい」と語気を強めた。

 3月31日に矢巾町医大通の医大で協定の締結式があった。達増知事ら県保健福祉部関係者、小川彰理事長と祖父江学長ら医大関係者が出席した。小川理事長は「先進的な取り組みをしており、これから県とともに医療人の育成、障害児者の医療向上のために大学としても努力していく」と意欲を示した。

 他に活動として障害児者医療に関する学生教育と調査・研究、医療福祉や教育関係従事者、一般対象の公開講座開催など地域への普及啓発にも取り組む。



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