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「皆の居場所つぶさない」 自主休業中も再開へ決意ぶれず 高田恭司さん(51)バー&ライブ「グローブ」マスター

2020-05-04

グローブのマスター、髙田恭司さん

 盛岡市盛岡駅前通のバー&ライブGLOBE(グローブ)は新型コロナウイルス感染症対策のため、4月初旬から休業している。地元バンドマンや音楽ファンの憩いの場である「箱」(ライブハウス)は現在、静まり返っている。マスターの髙田恭司さん(51)は「新型コロナが収束したら、皆でまた騒ぎたい。今は我慢の時。皆の居場所はつぶさない」。静かな決意を燃やす。(川坂伊吹)

 グローブは地元バンドや、ツアーバンドのライブで週末はにぎわい、月10回ほどのライブが開かれる。

 しかし、1月には国内で新型コロナの感染者を初確認。2月には大阪府内のライブハウスでクラスター(感染者集団)が起き、報道で大きく取り上げられた。

 髙田さんは「ライブハウスが名指しされてから、特に会社員や公務員のバンドで出演キャンセルが出てきた。バンドが集まらず、4月は8本がキャンセルになった」と振り返る。

 3月中は県内利用者に限定して営業してきたが、安全を考慮して4月4日から自主休業とした。「家賃などでお金は出ていくが、入ってはこない。国の給付金や県の家賃補助などを活用するが、緊急事態宣言の延長の話もある。長期化したら…」。不安は隠せない。

 グローブは2005年、居酒屋として開店。ロック好きの髙田さんに、地元バンドマンが「ここでライブができないか」と切り出した。共同でステージを造り、翌06年からライブバーとして始動した。ロックやブルースとともに青春を過ごした中高年を中心に、15年にわたり親しまれる。

 バーは妻の由利子さんが切り盛り。ライブの打ち上げ後は手料理を振る舞い、アットホームな雰囲気に演者も客も打ち解ける。「皆で作ってきた場所。なじみの客は心配してくれて、ウェブ上で寄付を呼び掛けてくれる人もいる。皆気遣ってくれている」と感謝も尽きない。

 現状、営業再開の見通しは立っていない。それでも今月末以降は、ライブ予約がキャンセルされないままでいる。

 「地元フェスのいしがきやプロを目指したり、60歳を過ぎたサークルOBたちが、うちで毎年ライブをしてくれたり。それぞれが目標を持ち、辞めずに頑張っている。新型コロナをきっかけに音楽が廃れ、情熱が失われてしまわないか心配。地元のバンドマンのためにも居場所をなくさないでおきたい。この店はつぶせない」。

 愛器のヘフナー社製ヴァイオリンベースを携え、ステージの再開を待つ。



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