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長期のV字回復目指す 24時間の新店、ネット通販、県南へ 大信田和彦社長(45)盛岡市柳家

2020-05-05

Ⅴ字回復への道筋を力強く語る大信田社長

 盛岡市東安庭の柳家(大信田和彦社長、資本金300万円)は、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けて4月20日から、全従業員の給与を100%保証して直営ラーメン店をほぼ全て休業した。この期間を活用し、三つの企画▽24時間営業、アジアン料理や地酒を提供する新業態のラーメン店▽定番の「元祖キムチ納豆」の冷凍品通販▽県南エリアの出店拡大-を立案。長期戦でのⅤ字回復を狙う。(小山歩)

 同社が展開する県内12店舗の3月の売り上げは、前年同月比30%ダウン。休業に踏み切った理由は売り上げだけでなく「店に立ち続ける高齢の創業者と従業員の安全確保のため」。フランチャイズ4店と昨年オープンしたばかりの一関店以外を休業とし、休み中もアルバイトやパート含め全従業員約50人の給与を全額支払っている。

 「従業員の生活が苦しくなると考え、岩手銀行から資金を調達して給与と同額の休業手当を払うことにした。従業員は店を共に運営する戦友のような存在。解雇の選択は全くなかった」と大信田社長(45)は語る。

 営業の一時ストップは、従業員や店舗の配置、仕入れの無駄を見直す機会となり、商品のクオリティーや運営の効率性を高める新店を立ち上げる機会になった。

 盛岡市大通周辺3店舗を統合し、早ければ夏にも、地酒やワイン、居酒屋メニューも楽しめる24時間営業の「居酒屋としても立ち寄れるラーメン店」をオープンする。従来のラーメンメニューに加え、約4年間ベトナムの店に滞在していた専務によるアジアンテイストの料理を30種類ほどそろえる。目標売上高は月400万円で、3店舗の売り上げのほぼ総額に当たる。

 「感染が収束しても、家の食事に慣れてしまった消費者のマインドが元に戻るには、数年かかる。これまで店舗拡大が第一だったが、マインドが戻るまで経営を維持するには、複数の店舗を集約して人員を1カ所に集め、営業時間やメニューなどを広げるしかない」と考えた。

 また自粛要請が長期化した場合に備え、クオリティー維持の観点で一切導入していなかったネット販売にも乗り出す。自家製のスープや麺などをセットに、レンジで解凍すれば食べられる冷凍の「元祖キムチ納豆ラーメン」を開発中。1食700~800円で、自社ホームページで直接販売する予定。

 「新型コロナの感染者ゼロの効果から、盛岡市の購入金額が全国で最も多い『納豆』(総務省の2018年家計調査より)が、首都圏で大きく注目されている。この流れに乗り、全国に柳家のラーメンを発信したい」と意気込み、現在は品質を落とさず冷凍品を作る技術を求めている。

 さらに、自粛の影響を受けながらも売り上げが20%減にとどまっている一関店の好調さを受け、県南エリアの出店拡大も始める。「県南で柳家は知られておらず、珍しがられる。今年中にまず奥州市水沢に出店する」と語った。

 新型コロナウイルスの影響で大打撃を受ける中、窮地を乗り切る姿勢について大信田社長は「経営者は、悲観して踏みとどまってはいけない。感染が収束して消費が爆発する明るい未来を従業員に示し続け、お客さまが望んでいる以上の商品、サービスを、従業員と共に生み出す機会ととらえなければ」と力説。

 金融機関に対して「事業と雇用を守るには、借り入れと投資に頼る他ない。非常事態で通常の経済活動ができなかった今期の業績を見るのでなく、実績と今抱いている展望を重視し、スピーディーな支援をしてほしい」と望んでいた。



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