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介護給食に雫石牛 地産地消メニュー コロナ自粛の利用者励ます 特養ホームおうしゅく×ホープフーズ

2020-05-12

特別養護老人ホームおうしゅくで11日に提供された行事食「雫石牛のミートローフ」(左)など<1/p> 雫石町鴬宿の特別養護老人ホームおうしゅく(石川星美施設長、定員75人、運営・社会福祉法人みやぎ会)と同施設の給食を専門に受託しているホープフーズ(三浦崇社長、盛岡市)は地産地消の介護食の提供に積極的に取り組んでいる。経費や手間の問題で、冷凍食品などを多用せざるを得ない事業所も多い中、生まれ育った地域の食べ物をできるだけ自然な形で味わってもらいたいと力を入れる。11日の昼食は、いつもより少し豪華な食事を楽しむ「行事食」。新型コロナウイルスの影響で外出もままならず、家族との面会も制限されている高齢者を元気づけたいと、地元の高級食材「雫石牛」を使ったミートローフを提供した。

 ミートローフは雫石牛のひき肉をハンバーグ状にし中にニンジンを入れた料理。キノコと玉ネギを使ったソースで、高齢者にも親しみやすい味付けになっている。かぶのサラダ、ミニレアチーズケーキなど、サラダやデザートも彩り鮮やか。ほとんどの食材が雫石町を中心とした県内産だ。11日は入所者やデイサービスの利用者ら60人余りが味わった。

 「柔らかくておいしいと好評だった。きょうはごちそうだね、ときれいに食べてくれる人が多かった」と石川施設長。同施設の管理栄養士の竹田麻耶さん(26)は「入居者は、いろいろなストレスを抱えていると思う。食事を楽しみに、気持ち良く過ごしてもらえるよう今後も、こうした行事食を提案していきたい」と話した。

 ホープフーズは2019年2月の施設開所に合わせ18年12月に発足。和食の板前や管理栄養士、温泉旅館の営業経験者ら9人のスタッフが奮闘している。

 介護食は常食だけでなく刻み食、ミキサー食など、利用者のかむ力や飲み込む力に合わせて、固さ、大きさなどを数段階に分けて変える必要がある。味の満足度を保ちながら、まとまった数の食事を日々、決められた時間に提供するのは想像以上に手間がかかり、技術もいるという。画一的でもコストが安く、安定した品質が保てる冷凍食品などを多用する事業者が多いのは、このためだ。

 ホープフーズは「食を癒やしに」という施設側の理念と資金的な支えもあって、地産地消の給食づくりに挑戦。地域の食品会社や仕入れ業者と丁寧に関係を結ぶなど独自の努力も重ね、理想の介護給食を目指す。

 雫石牛の食材提供に協力した九戸屋肉店の小井田幸一社長は「新型コロナで温泉旅館やホテルで扱われるような高級牛肉の需要は大きく減っている。給食でも積極的に利用してもらえれば、ありがたいし、入所している地元の人にとっても良いこと。取り組みが長続きするよう互いに協力していきたい」と語る。

 ホープフーズ業務責任者の吉田拳さん(25)は「利用者さんがおいしかったと残さず食べてくれる姿にやりがいと幸せを感じる。一人ひとりに合わせた、満足度の高い給食を提供する技術はパートの一人に至るまで大変な技術がいる。地域食材を使った手作りの給食で、調理に関わる人たちへの評価も高めていきたい」と意欲を燃やす。



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