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大学で広がる遠隔授業 長所と短所は 実践通じて課題も明確に 通信環境整備が原則 学び確保へ教員スキルも

2020-05-18

授業内容を説明する盛岡大の山口准教授

 新型コロナウイルス感染症対策のため、県内の各大学では遠隔授業(オンライン授業)の導入が始まっている。岩手大、盛岡大では既に7日から開始した。県立大では18日から始まる。取材によると、このうち盛岡大(高橋俊和学長)の新入生からは学習面での利点も挙がる反面、人的交流のないことや操作面での不安など、難点も挙げられた。学生の通信環境や教員のウェブ活用スキルの違いなど課題もある中、教育現場では学びの確保に模索が続く。(川坂伊吹)

■講義内容で使い分け

 盛岡大では、①配布資料による学習と課題提出をメーンとする「課題提出型」②スライド資料や音声の講義動画を配信しチャット上で質疑を取る「オンデマンド型」③ビデオ会議アプリを活用し教員との対話形式を取る「同時双方向型」―の3形態を展開する。

 各教員が講義内容に合わせて形態を選択。受講者数が多い場合、座学中心の場合は①や②で行う。出欠は課題提出やコメントの送信により確認できる。

 ③はゼミ演習など、主に小規模の講義で使用している。それぞれ、チャットや課題の提出管理機能がある授業支援SNS「Melly(メリー)」や、ウェブ会議アプリ「Webex」を適宜活用する。通信環境が確保できない学生には、検温など対策を講じた上で構内のパソコン室などを提供している。

 配布資料の流出など著作物への配慮や、学生の肖像権・プライバシー保護の観点から、形態の選択には慎重さが求められるという。講義動画はデータを保存されないようストリーミング式としたり、動画容量を抑えて視聴環境を制限しない工夫など、教員側にも対応が指示されている。

■実践通じ課題浮かぶ

 15日、山口亮介准教授(児童教育学科)は児童音楽論の講義をオンデマンド型で行った。同科1年生ら57人がウェブ上で受講。限定公開された講義動画を約1時間視聴後、メリーを使用しての質疑、課題を提出した。学生らのコメントはリアルタイムでパソコンの画面上に反映され、個別の質問などもウェブ上で対応された。

 山口准教授は遠隔授業について「動画を見返して復習でき、実際に動画再生数は受講者数より多い。対面授業では数人に限られる質疑も、チャットで多くの意見を得られる。個別返信も可能なのである程度の双方向性もある。同時双方向型で行ったゼミ演習は、通話で相手の聞きたいことがダイレクトに分かる」と利点を挙げる。

 一方で「複数の講義があると画面を長時間見ることになり、ストレスもある。学生同士の通信はできないのでグループワークなどは難しい。実技指導や実習など、対面での指導が必要な場合もある。学生間の交流が一番の課題」とも指摘する。

 「対面での授業をやらないというのは学生にも教員にも良くない。(対面授業ができない)今はできる範囲でより良い授業づくりを考え、学生の意見も取り入れながら進めていきたい」と展望した。



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