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雫石産スカシユリを展示 盛岡地区合庁には1000本 長期保管技術実証に協力 出荷減の生産者支援へ

2020-05-28

盛岡地区合同庁舎に展示している雫石町産のスカシユリ

 盛岡市内丸の盛岡地区合同庁舎で、雫石町産のスカシユリ1千本が展示されている。東京都の大田市場花き部で中央卸売市場を運営する大田花きが実施する花の長期保管技術実証事業の一環。実証により花の活用可能期間を長期化できる条件を把握し、国内需要を拡大するため生産、流通、販売に生かす他、新型コロナウイルス感染症の影響で出荷量が減少する生産者を買い支え、生産地のPRにもつなげる新たな試み。

 実証では、大田花きが殺菌剤や冷蔵庫による温度管理など長期保管技術を活用し、花の鮮度や適した温度などの関連データを収集する。一方、モニター調査として技術を活用しない通常の保管方法で公共施設などに花を装飾し、来庁者の反応や日持ちなども調査する。二つの実証結果から保管技術で長期活用できる諸条件を整理し、遠隔地への輸送などの可能性も探る。

 実証事業は、農水省の補助事業を活用して全国で実施。このうち、本県ではモニター調査として合同庁舎の他、滝沢市役所、雫石町役場、農協施設などでJA新いわて南部営農経済センターが申込者となって提供したスカシユリ、オリエンタル、ギガンジュウムなどが展示される。

 合同庁舎の1階県民室付近、各階のフロアには25日からスカシユリの展示が始まった。展示と同時に来庁者へ「雫石町が県内一の産地と知っていたか」「花を購入してみたいか」「ユリを購入するときの判断基準」「切り花は何日間保つとうれしいか」を尋ねるアンケートも実施中。26日現在まだつぼみの状態だが、29日までの予定を延期して展示する。気温などにもよるが、一般的には出荷後1週間から10日間で満開となる。


一足早く展示を始めたJA新いわて南部営農経済センターでは満開の状態に


 同センターによると、雫石町の花きの販売額は2019年度実績で約2億円、このうちスカシユリは約3千万円を占める。同町のスカシユリ生産者は2人と少ないが、規模は県内でも随一。一方で、同町がスカシユリの生産地という認知度は高くはない。

 スカシユリは普段、家庭で飾られるより葬儀などの仏花、卒業式や入学式などに用いられることが多い。今年は新型コロナの影響で、式の取りやめや家族葬のため需要が低下している。4月の出荷量は1万4580本と前年同期比3万3710本の半分以下に落ち込んだ。需要減に伴い、単価も下がり、今回の事業への提供が生産者の買い支えにつながっている。多くの人が来庁する公共機関への展示がPRの機会となり、消費の拡大につながることも期待される。

 盛岡地方振興局農政部の高橋真紀農業振興課長は「雫石町の花き栽培をしている方々の消費のお手伝いを少しでもできればと実証実験に協力している。合同庁舎に来た方々に咲いているユリを見て楽しんでもらうとともに、雫石町のユリが県内でも主要な花であることも併せて知ってもらう機会になれば」と望んだ。

 同センター米穀園芸課の水本あゆみさんは「普通の販売単価が下がる中で、安定した価格で花を提供する事業に申請することで生産者の底支えになっている。本数制限はあるが長期的に使っているので、生産者にとってのメリットは大きい。公共施設に飾ることで、多くの人の反響があり、PRにつながると期待する」と話した。



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