2020年
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特産品の開発へ 旧お山の湯活用 滝沢市内の若手事業者 ニンニク・地ビール生産… 3年間施設を無償借り受け 温泉復活の可能性なし

2020-06-12

 滝沢市内の若手事業者が新会社を設立し、廃止後、未利用となっていた市所有の旧お山の湯(同市鵜飼安達)を活用し、特産品開発などに乗り出すことが分かった。室内水耕栽培によるニンニクの生産や地ビールの開発、自然環境を生かしたイベントの開催などを構想している。市は施設を新会社に3年間、無償で貸し付けて支援する方針で、市議会6月会議に諮る。11日に開かれた市議会議員全員協議会で説明した。長らく遊休資産となっていた施設で、どんな産業の芽が生み出されるか、注目を集めそうだ。

 5月に登記された新会社は、株式会社滝沢村。代表取締役は同市巣子で水道工事業などを手掛ける水道屋の鍵本桂社長(40)、取締役は同市巣子のとび工事業大門の佐々木大介社長(37)。資本金は300万円で当面、役員2人で運営する。

 鍵本社長によると、旧お山の湯の施設を活用し、ニンニクやサツマイモの新品種などの室内水耕栽培や地ビール生産の可能性を探る。

 現地に行かずとも水量、湿度、温度、採光などを遠隔管理するIT農業や農産物の加工販売なども検討。ジビエレストランや気球を飛ばすイベントなどにも挑戦したいという。

 施設が無償貸与される3年間を試行期間と捉え、実現可能な事業を検討し、基盤を固めていく。

 「官ができずとも、民間企業であればできることがある。できることから挑戦し、雇用や税収の拡大、滝沢の良さの発信に貢献していきたい」と意気込みを語った。

 新会社としては旧お山の湯の活用とは別に、企業と学生が共用する複合施設兼学生寮の建設なども構想している。

 岩手山麓の相ノ沢牧野にほど近い旧お山の湯は土地が約2万7千平方㍍、建物が本館、機械室、倉庫など約974平方㍍。

 1996年11月に、滝沢相の沢温泉入浴施設(通称・お山の湯)として開館した。市民や登山客に親しまれたが、たび重なる温泉ポンプの故障などで経費がかさみ、2016年12月に廃止された。

 その後、市は、市の予算を投入せずに利活用する方法を模索。民間のアイデアを募ったが応募はなく、空き家活用や人材育成を支援する県事業を利用して、市職員と民間事業者がユニットを組んで施設活用を考える「リノベーションスタディ滝沢」に取り組んだ。この事業で課題を共有した鍵本社長らが、新会社設立に至った。

 旧お山の湯は、県の調査で5月末に土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定されている。安全面への配慮が不可避で、温泉施設を市が復活させる可能性はない。

 市は地元事業者主導で地域の活性化を目指す、今回の取り組みには期待を寄せており「施設の無償貸与をはじめ、事業に関する相談などを通じて応援していきたい」としている。



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