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盛岡市のセルスペクト 「免疫パスポート」糸口か クルーズ船抗体検査で実証 新型コロナウイルス

2020-07-04

 新型コロナウイルスに感染すると発生する免疫抗体「IgG」が、症状の度合いに関わらず感染者に一定量発生し、体内に30日留まり続けると、盛岡市北飯岡の医療機器製造セルスペクト(岩渕拓也社長)が突き止めた。滞留期間が実証されれば、新型コロナへの免疫を獲得したと証明する「免疫パスポート」になると期待される。長崎港で集団感染が確認されたイタリアの大型クルーズ船「コスタ・アトランチカ」で、同社で手掛けた620人余りの抗体検査から導きだした。

 体内にウイルスが侵入すると、免疫抗体IgM(免疫グロブリンM)とIgG(免疫グロブリンG)が血中に発生する。

 ウイルスの種類で発生時期や量が異なるが、セルスペクトの症例研究では、新型コロナの感染で発生するIgM抗体は、症状の度合いによって発生量がかなり異なり、発症から9日を過ぎると急激に減少する。

 それに比べて「IgG抗体」は、軽症、重症などの症状の度合いに関係なく、感染者はほぼ100%発生する。発生量も全て同じで、発症から10日ほどで健常平均の2・5倍まで増える。また、30日間ほぼ変わらない量を維持することも、症状に関係なく同じだった。

 「症状が出て数日後に検査に行く感染者の一般的な行動パターンに照らせば、高い精度の検査方法になる」と岩渕社長は語る。

 その他クルーズ船の症例は▽発熱や頭痛などの症状がない人も、半数は感染していた▽感染者は血栓が出やすく、高齢者は肺炎に、若者は心筋梗塞になりやすい▽糖尿病のような血管が詰まりやすい持病のある人は重症化しやすい│など。

 「持病がある人は要注意で、知らずしらずに感染している人は多い」と推測する。

 コスタ・アトランチカは、4月20日に乗務員の感染が確認され、累計149人が感染していた。1人が重症化したが死者は出ず、医療崩壊も懸念されたが、入院患者も最大で6人にとどまった。

 岩渕社長(41)は「今回の案件から、自治体や医療機関が連携して万全な対策を講じれば、感染拡大を制御できると分かった。この知見を活用すれば、県内で数百人の感染者が出たとしても、同じように対応できる」と力説した。



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