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若手育成の継続願う 畳技能士会の検定訓練 志願者減り今年度で幕

2019-08-24

畳技能士検定の技能向上訓練。若手職人を指導する角掛さん(左奥)と村山さん(右奥)=盛岡地域中央職業訓練センター

 県畳技能士会会長の村山義光さん(78)=盛岡市みたけ4丁目=と副会長の角掛全功さん(73)=同市中央通3丁目=は20年以上にわたって、国家資格の畳製作技能士検定に向けた技能向上訓練を引き受け、後進の職人の育成に当たってきた。しかし、近年は検定に挑戦する職人の数が減り、今年度いっぱいで2人が講師を務める技能向上訓練は終了する。「時代は変わっても、日本家屋の畳の文化はなくならない。確かな技術を身に付けた、数少ない職人が日の目を見る時代は必ず来る」と村山さん。経験を積んだ教え子たちが、いつの日か若手人材育成の新たな場を開いてくれることを期待する。

 盛岡市加賀野4丁目の盛岡地域中央職業訓練センターで17日に開かれた技能向上訓練。9月7日に行われる検定試験で、畳製作技能士2級合格を目指す花巻市の藤原一人さん(28)と、1級に挑戦する宮古市の小松正憲さん(39)が参加した。1級は手縫いによるへり付き板入れ畳と床の間畳の製作、試験台への引き込み、2級は手縫いによるへり付き素がまち畳の製作といった定められた課題がある。それぞれ制限時間内の完成を目指して腕を磨いた。

  「与えられた仕事をこなすだけでなく、それにプラスアルファした仕事ができる職人になりたい」と藤原さん。畳職人になって9年目という小松さんは「技能向上訓練では毎回、学びがあり、上達していく実感がある。いつか自分が育てた職人が、自分を超えていくような存在になれれば」と意欲を語った。

  村山さんと角掛さんがコンビを組み、技能向上訓練を始めたのは1995年。昨年までに1級技能士が23人、2級技能士が34人誕生。「他県に比べても岩手の畳技能士はレベルが高い」と胸を張る。

  各事業所から預かる職人の中には、不登校経験者ら、さまざまな事情を抱えた若者もいたが、礼儀作法やあいさつから根気よく指導。立派な職人に大成し、経営者として人を雇う立場になった教え子もいるという。

  村山さんは「畳の手縫いの技術を後世に伝承したい。機械化が進んだとしても、必ず手作業の部分はある。職人自身が畳をよく知らなければ、その魅力も伝えられない。若い人材を育てていくのは本当に大切なこと」と力を込める。角掛さんも「成長した職人が頑張っている姿を見ると、指導を続けてきて良かったなあと感じる。訓練の場がなくなるのは残念だが、できる限り技術を後進に伝えていきたい」と話した。



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