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半世紀余りの営業に幕 盛岡市内丸の第一画廊 多くの県人作家ら見いだして 11月6日閉廊 惜しむ声と感謝の声と

2020-10-28

11月6日で営業を終える第一画廊と喫茶「舷」

 長年にわたり盛岡の美術シーンをけん引してきたMORIOKA第一画廊(盛岡市内丸2の10)が、11月6日で営業を終える。1960年代に同市大通で開設され、故上田浩司さん(1932~2016)が企画展を通して多くの県人作家らを見いだしてきた。その後複数回の移転を経て、1990年からテレビ岩手1階の現在地で、喫茶「舷」を併設して運営してきた。彫刻家の舟越保武(1912~2002)らゆかりの県人作家は数多い。惜しむ声とともに、長年の功績への感謝の声も聞かれる。

 現在の場所での運営は今年5月19日で30年となり、31年目に入ったばかりだった。画廊はテレビ岩手との賃貸契約終了に合意。経営を引き継いでいる直利庵おかみの松井裕子さん(76)と上田さんの長女、宇田り土さん(51)は膨大な数の作品を移す保管場所を確保し、少しずつ作業を進めてきた。

 「まだこの後やりたい展覧会もあり、企画していたものができなくなったのは残念。作家さんや、楽しみに見てくれていたお客さんに申し訳ない」と宇田さん。

 松井さんは長年画廊に出入りし、役に立ちたいと50歳の時に学芸員の資格を取得。「上田さんが元気なときはいろんな中央の作家を呼んで展覧会やオープニングパーティーをやって、作家さんからたくさん吸収しようということをやってきた。私もずいぶんそこで育てられた」と振り返る。

 美術家の杉本みゆきさん(65)=盛岡市=は、1987年に初めて同画廊での個展を開き、長年個展を重ねてきた。

 「最初の頃は大人の世界で、憧れの画廊。すごく大きな刺激をもらった」と懐かしむ。閉廊には「残念だが、感謝の気持ちが大きい。絵や人生のことを勉強させてもらい、また新たなものを作りたいと思える場所だった」と語った。

 松井さんは30年前、当時のテレビ岩手社長が、現在の場所を長く使って文化の香りのする場所にしてほしいと望んだことが印象に残っている。

 「いま、こんな時代なので、これを区切りにとは思う。県外から来た方にも、おいしいコーヒーを飲んで美術作品に出合う最高の場所と言っていただけた」と感謝を込める。

 同画廊、喫茶の営業時間は午前10時から午後5時。土日、祝日は休店。



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