2019年
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〈体感思観〉 編集局 佐々木貴大 違和感を見逃すな

2019-08-24

 先日、県鍼灸(しんきゅう)マッサージ師会のイベントを取材した。高校時代に腰と膝を痛めて以来、鍼灸に何度もお世話になっている身として、鍼灸マッサージに対する正しい理解が進むことを願いながら取材に取り組んだ。

  自分の通っている整骨院でもそうだが、鍼灸マッサージ師は、よく話しながら治療を行う。患者と対話して信頼を築くとともに、声色や話し方、生活習慣などを読み取り、施術に生かすのだそうだ。イベント会場でも、あちこちで談笑が起きていた。

  その中の発言の一つが興味深い内容だったので、ぜひ紹介したい。ある男性鍼灸マッサージ師いわく「痛くて治療に来るのはまだいい。重さとか張りとか、違和感があるとか言いながら、放置するのが一番よくない」

  治療が終わったタイミングを見計らい、この男性鍼灸マッサージ師に言葉の意図を尋ねると「重さ、張り、違和感は不調のサイン。その時点で早めに手を打てばなんてことないのに、痛いと騒ぎ出したときには悪化している」「特に長く体を痛めている人に多いが、普通の人なら痛いのに、慣れて痛みを感じなくなっている」とのこと。まさに自分のことで、なんとも耳が痛んだ。

  個人的な反省はさておき、小さな積み重ねが痛みとなること、痛みが続くといつの間にか日常の一部となることは、なにも体調だけに限らない。日々の人間関係や仕事、チームマネジメントをはじめとした人間の生活全てにあてはまる。いずれも小さな違和感だからと放置せず、痛みが日常になる前にケアをするという、当たり前ながら忘れがちなことを思い出させてくれた。

  とはいっても、痛みや苦しみを感じないと対処しないのは人間のさがか。最近も「次の休みは治療に行こう」と、重い腰や膝をだましだまし使う日々。今後は「あのときのあれが予兆だったのか」「あの時、手を打っておけばよかった」と後から後悔しないため、せめて日常の小さな「違和感」に気付けるよう、心掛けたい。



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